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自治体の皆さまへ

[特集1]古谷田市長が所信表明(2)

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神奈川県 大和市 クリエイティブ・コモンズ

次に、市民生活に関わりのある分野別に四つ、申し上げます。
一つ目は、災害に強いまちづくりです。
近年、様々な大規模地震の切迫性が指摘されていますが、中でも、今後30年以内に発生する確率が70パーセントと高い数字で「南海トラフ地震」と「首都直下地震」が予想されています。大和市域には活断層がなく、液状化のリスクも低いとされていますが、災害に対して備えすぎはないと考えます。これまでも官民問わず、様々な協定を締結しておりますが、引き続き更なる協定締結を進めるとともに、災害時に支援を必要とする人を対象にした個別避難計画の作成につきましては、対象者の状況ごとに緊急度を分類し、モデルケースとして計画を作成し、得られたノウハウを活かして取り組みを進めてまいります。
二つ目は、未来を担う子どもたちに関する政策です。
コロナ禍により、さらに注目された言葉に「レジリエンス」があります。つらい体験やストレス、不利な環境にうまく適応したり、精神的なダメージから回復したりする力のことで、心の弾力性を意味しています。社会に出ると色々な環境、出来事に遭遇します。その時に困難を乗り越えられる力を身に付けた人に育てるため、この名を冠した「レジリエンス教育」を自然の中の体験活動等を通じて推進してまいりたいと考えています。イギリスには、「穏やかな海は良い船乗りを育てない」ということわざがあります。困難を乗り越えてこそ、人は成長するということを表した言葉です。人間が抗うことができない「自然」という存在の一端に触れ、五感を様々に刺激することは、子どもたちにとって貴重な体験となるものと捉えています。
成長期の子どもたちにとって、学校給食は心身の健全な発達に資する大きな役割を持つほか、食事のマナーや食事の大切さを学ぶ場です。そのため、新鮮な地場農産物を用いた地産地消に取り組むとともに、日常生活における食事の大切さなどについて正しく理解することにつなげ、その充実を図ってまいります。
三つ目は、福祉政策です。
家族構成や地域コミュニティの変化に伴い、育児や介護、生活困窮など、複数の福祉的な課題を抱えた家族が散見され、これまでの障がい、介護、高齢者など、課題ごとの組織では十分な対応が行えなくなってきています。そのため、子ども、障がい者、高齢者、生活困窮者など、複数の福祉的な相談について、断らない総合相談窓口の設置を進めます。また、これまで分野ごとに市民相談を受ける組織を整備していますが、複数の課題を抱える家族に寄り添い、適切に対応していくためには、相談組織の横の連携に加え、市役所の所管組織もつながることが必要です。相談組織と市役所の縦横の連携を図ってまいります。
四つ目は、地域経済の活性化です。
市民、大和市を明るくするために、地域経済を活性化してまいります。
まず、「エンターテインメント」をキーワードに、多くの市民が明るく楽しく笑顔で交流できる大和市を実現するため、新たなイベントの開催やシティブランディング、SNSを活用したシティセールスなどに力を注いでまいります。加えて、地域経済の活性化を図るため、改めて市内商工業者の支援を積極的に推進するとともに、新たなチャレンジを応援するため、市内における創業支援や第二創業支援を行ってまいります。
また、スポーツには、「するスポーツ」だけではなく、「見るスポーツ」「支えるスポーツ」と色々な側面があります。そして、その効果は、健康増進や青少年の健全育成、地域コミュニティの形成など、とても幅広いことがわかっています。このことから、活気あるまちづくりを進めるため、楽しむものからトップスポーツまで、幅広く「するスポーツ」を支援するほか、「見るスポーツ」「支えるスポーツ」として、地元ゆかりのチームを一丸となって応援する機会を設けるなど、スポーツの振興に力を注ぎ、市民の皆様の交流とにぎわいの創出につなげてまいります。
地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」「カーボンニュートラル」、そして大量生産、大量消費の経済活動を脱しての循環型社会の実現は、もはや費用対効果で判断することができる状況にはありません。地方自治体として、これまでも取り組んできたごみの減量化、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用を進めるほか、これまで未活用だった資源の有効活用についても可能性を探ってまいります。

以上、主要な施策につきまして、私の考えを申し述べてまいりましたが、厚木基地につきましては、航空機の騒音被害や、まちづくりへの支障など、本市に様々な影響を及ぼしていることから、基地に起因する諸問題の解決と市民負担の解消に向けた取り組みを進めてまいります。
そのためにも、本市と厚木基地との間で、各種交流事業等を推進し、相互理解を深め、活発な意見交換や円滑な情報共有等を図り、災害時における連携強化等につなげるなど、厚木基地との更なる関係構築にも取り組んでまいります。
大和市は、様々な課題を抱えており、さらには、自然災害の発生や、想像し得なかった新型ウイルスの流行などのように、今後も予期せぬ出来事が起こるやも知れません。私は、いかなるときも市民の生命を守り、安全、安心な暮らしを提供することは、地方自治体の使命であると考えております。
この使命を果たすため、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解、ご協力をいただきながら、新たな大和市づくりを一歩一歩着実に進めてまいる所存でございます。
議員各位におかれましては、ご指導とお力添えをいただきますよう心からお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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