◆成長を実感できる年に
小田原市長 守屋 輝彦
◇4年ぶりの活気と地域の温かさ
昨年は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を受け、本市でもイベントや地域活動が本格的に再開しました。北條五代祭り、酒匂川花火大会は、いずれも過去最多の来場者数となり、まちに活気が戻りました。
地域でも夏祭りや文化祭、健民祭などの行事が再開し、コロナ禍前のように地域のつながりの温かさに触れることができました。初の緊急事態宣言下で市長に就任した私にとっては、市民の皆さんにお会いする機会が増えたことは待ち望んだ変化であり、直接皆さんからお話を伺う中で、持続可能な地域運営の実現に向け、地域の皆さんと共に取り組んでいくという思いを新たにしました。
◇育つ小田原のまち
令和5年も、「デジタルまちづくり」「公民連携・若者女性活躍」のさまざまな取り組みを実施し、令和4年に蒔(ま)いた種を育ててまいりました。
3月にオープンした「おだわらデジタルミュージアム」は、現在までにアクセス数12万件を超え、年間目標であった3万件をオープン1カ月で達成、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が主催するベストプラクティス賞の優秀賞を受賞しました。
全国に先駆ける事業として多方面から注目をいただく「デジブラ城下町」事業では、全国1位の採択額となったデジタル田園都市国家構想交付金Type3(タイプスリー)を活用し、全庁一丸での取り組みを進めており、地域ポイントサービスやスマートポールの設置など近く実装予定です。
また、意欲にあふれた若者の活躍を後押しするため、「おだわらデジコン城下町」や「おだわら若者応援コンペティション」「おだわらMIRAIアワード」を実施しました。
◇花開くまちづくり
そして本年は、第6次小田原市総合計画第1期実行計画の仕上げの年です。まちづくりの目標である「豊かな環境の継承」を土台とした「生活の質の向上」と「地域経済の好循環」の具現化に向けて、取り組みを進めてまいります。
「豊かな環境の継承」には脱炭素の推進が不可欠です。その象徴として、脱炭素先行地域による事業の推進、脱炭素やデジタル化が実現したまちの姿をいち早くお見せするゼロカーボン・デジタルタウンの検討を進めます。
市民サポーターの募集を開始した美食のまちづくりでは、市民参加で小田原の食と食文化をさらに盛り上げてまいります。観光客の増加、企業の設備投資による「地域経済の好循環」、そして「生活の質の向上」の両輪をしっかりと回します。
具体的には、市民の皆さんの日常の移動を支える新たな移動支援の実証事業、未来を担う子どもたちのための「新しい学校づくり」の議論、小児医療費助成の対象年齢を満18歳年度末まで拡大するなど子育て支援の充実にも取り組んでまいります。
令和6年は、これまで育ててきた取り組みのつぼみが膨らみ、花開く、成長を実感していただける年にしてまいります。
本年も、皆さんにとって素晴らしい一年となることを心からお祈りいたします。
◆未来に向け進化し、深化する
小田原市議会議長 大川 裕
◇新体制で迎える年初
昨年、私たちの生活に多大な影響を与えてきた新型コロナウイルス感染症は、5月に感染症法上の位置付けが5類に移行し、ようやく一定の区切りが付きました。コロナ禍が及ぼした影響も残りますが、社会経済活動も正常化しつつあり、課題解決に向けて動き始めた一年になりました。新たな年は、各地で人々の交流や経済活動が活発になり、まちににぎわいが、また、地域に活力があふれることを大いに期待しています。
こうした中、小田原市議会は、昨年4月に行われた統一地方選挙を経て、8人の初当選議員を含む新たな体制がスタートしました。このたびの改選により、女性議員の割合が増えるとともに、1期目2期目の比較的期数の若い議員が半数以上を占めるようになりました。また、年代も幅広く、さまざまな職業や経歴、見識や視点を持った多様な顔触れとなっています。
新体制で迎える年初に、議員一人一人が、果たすべき使命と責任を自覚し、議会活動に取り組んでいくとともに、私としても、市議会の運営を預かる議長として、市民の皆さんの負託にしっかりと応えていく決意を新たにしたところです。
◇山積する課題と向き合う
ウクライナ情勢・円安に伴う物価高騰、コロナ禍の影響を受けた地方経済の活性化をはじめ、少子高齢化への対応や脱炭素化の推進、頻発する自然災害への対応が喫緊の課題となっています。また、老朽化する上下水道や道路、公共施設などの社会基盤の整備も大きな課題であり、厳しい財政状況の中、中長期的な視点を持って検討し、着実に進めていかなければなりません。
本市では現在、新病院建設事業やゼロカーボン・デジタルタウン創造事業といった重要な事業が進行しており、新病院は、本年、建設工事が着手されます。新病院の建設に当たっては、市議会でも、より良い病院建設に向けた調査・議論を積み重ねてきました。市民の皆さんの関心も高く、地元経済への貢献の面においても大きな期待が寄せられている事業ですので、令和8年春の開業に向け、適正に建設が進むよう、引き続き注視してまいります。
二元代表制の一翼を担う議会として、市が行う諸施策を専門的かつ幅広い視点でチェックし、行政と議論を尽くすことで、市民にとってより有益な施策の実現へとつなげてまいります。
◇議会の機能強化を目指す
昨年度、議員提出により「小田原市地域経済好循環推進条例」を制定しました。社会が大きく変化し、さまざまな課題への対応を迫られる中、市の重要な意思決定を行う地方議会の役割はますます重要になっています。行政監視機能はもちろん、自らが課題を投げかけ、政策を作り出す、政策形成機能を強化する必要があります。これからの市議会は時勢を的確に捉え、柔軟な発想で市政に対し取り組むことが必要です。未来に向け進化し深化する議会として、時代に即した議会運営に努めてまいります。
小田原市議会は、市民の皆さんの幸せを第一に考え、市政の発展に努めてまいりますので、今後ともご理解とご協力をお願いします。
新しい年が、皆さんにとって明るく良い年であるよう、皆さんのご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします。
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