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特集 かわさきパラムーブメント

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神奈川県川崎市 クリエイティブ・コモンズ

やさしさであふれるまち

初めて子どもと電車で出掛けた日の話です。まだ言葉も分からない年齢だったので、車内で騒がないか心配していました。すると隣に座っていた方が「かわいいですね。電車に乗るのは緊張しますよね。子どもは泣くのが仕事だから、万が一泣いても気にしないでくださいね」と話し掛けてくれて、とても気持ちが楽になりました。

バス通り。車椅子の人が車道から歩道に上がる段差に苦労していて、バスも通るに通れずにいたので、子どもと歩いていた私は車椅子の方に手を貸しました。車椅子の方とバスの運転手の方から「ありがとう」の会釈。見ていた子どもにも「ママえらいね」と言われた。えらいことではなくほんの少しのやさしさ。少しのやさしさと勇気があれば、みんなほっこりできる。

私が新川崎駅に向かって登校する時間に、目の不自由な方が新川崎駅から歩いてきます。その方が見えた時に、点字ブロック付近に落ちている大きめの石や枝を拾い公園の敷地内に入れ、歩きやすい道となるよう意識しています。私の存在や行動は誰にも気付かれていませんが、心の中でひっそりとバリアフリーを心掛けています。

家に帰ったらたくさんの飲み物が。息子に聞いたら「バイト先で障害のあるお客さんが来てちょっと手伝ってあげたの。そしたら、その人からうれしかったと職場に連絡が来たみたいで、店長もうれしかったからってくれた」と。それを聞き、私もうれしい気持ちになった。息子の当たり前の行動がみんなの気持ちを温めてくれた。

人もまばらな夜遅く、春風吹き荒れるラゾーナ広場を突っ切っていると、一瞬でマフラーがさらわれた。焦って後ろを振り返ると、マフラーを必死に追いかける女性の姿が。見事キャッチし、手渡してくれた彼女の笑顔が忘れられません。

子どもを乗せたベビーカーを持って、階段を昇っていたところ、大学生くらいの方が走って来て「手伝います!」と言ってくれました。他人に声を掛けるのはとても勇気のいることで、その方にとっては来た道を引き返すことになるにもかかわらず、迷いなくそばに駆け寄ってくれた姿に、とても温かい気持ちになりました。

祖母が1人で出掛けていた時、熱中症で動けなくなったところを近隣の方々が助けてくれ、家族に連絡を入れてくれました。その後救急車を呼び、無事回復しました。コロナ禍で人と人との距離が遠いと感じていた時期だったのに、祖母のために近隣の多くの方々(6人くらい?)が集まって助けてくれて、地域の温かさを感じました。

市ホームページで今年3月に市民の皆さんから「心のバリアフリー」に関するエピソードとして寄せられた話の一部です

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