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自治体の皆さまへ

[特集]ボランティアでつながる思い(2)

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神奈川県平塚市

◆運転ボランティア
障がいがあり自力での通学が難しい子どもを、自宅から学校まで送迎する運転ボランティア。社会福祉協議会の車両「ふくふく号」で、平日の登下校の時間帯に送迎をしています。メンバーとして現在5人が登録し、それぞれのボランティア歴は4~7年。メンバーの一人、岩﨑節朗(いわさきせつろう)さんはボランティア歴7年目のベテランです。「社会福祉協議会の講座を受けたとき、たまたま運転ボランティアの存在を知りました。運転ならできるし、困っている人がいるなら手を貸したいな、と思って始めました。何も特別なことじゃないんですよ」ときっかけを話します。
「子どもの命を預かっているので、とにかく安全が一番。運転にはとても気を遣っています」と岩﨑さん。子どもがシートベルトをしているのを必ず確認してから運転席に向かうこと、後部座席で窓などの操作をできないようにしておくことなど基本的な安全対策の他、移動中もミラーで様子を確認するなどして、慎重に活動に当たっているといいます。
社会福祉協議会の車両が使えることと、活動中の事故などに対応できる保険にボランティアセンターが対応してくれていることで、安心してボランティア活動ができていると岩﨑さんは話します。初めて利用する方がいる場合、ボランティアセンターの職員も現場に付き添うなどしてサポートしています。また、利用している子どもの障がいの内容や程度はさまざまです。子どもから話しかけてきた場合はきちんと受け答えをし、静かにしているときは興奮させないように黙って運転をするなど、状況に応じた対応を心掛けているといいます。
今年5月から送迎が始まった佐野里菜さん。「通っている学校の先生から、運転ボランティアの送迎事業があることを教えてもらいました」と、お母さんの智子さんが話します。「朝はどうしても忙しいし、登校は一苦労です。こうして寄り添ってくれる方がいるのは本当にありがたいです。運転ボランティアさんに感謝ですね」。

◆ボランティアと地域をつなげる ボランティアセンター
◇ボランティアが各地域で活躍
市社会福祉協議会のボランティアセンターでは、ボランティア活動の支援の他、ボランティアスクールの開講や福祉体験学習などをしています。
主に、森縁さん、津久井克紀さん、遠藤年彦さんがボランティアとの窓口になっています。津久井さんは「市内全域で活動する市域ボランティア、地区で活動する地域ボランティア、特技や技能を生かして活動する演芸ボランティアの他に、個人ボランティアがいます。当センターに登録があるのは1590人・98の団体と、165人の個人です。皆さんの身近な地域でも、いろいろな活動をしているんですよ」と、話します。

◇活動の機会をつくる
活動する機会のコーディネートや、各地域のボランティアとさまざまな団体個人をつなげるのも、ボランティアセンターの役割です。例えば車いすや手話の体験などをする福祉体験学習では、学校や企業などからボランティアセンターに、講師の依頼が来ます。介護福祉士などの資格を持ち現場経験があるボランティアらに声を掛け、講師をしてもらっています。「ボランティアの活動の機会も増えますし、人数が増え安全対策にもなります。お互いにメリットがあります」と津久井さん。「講座などにボランティアが参加することで、ボランティアと、地域とのつながりも生まれます。当センターの活動の根底にあるのは地域福祉の推進です。ボランティアと地区社協や福祉村、福祉事業所など地域で活動する人たちとのつながりができることで、活動が深化し活発化していきます」と狙いを語ります。

◇支えつつ、支えられる
遠藤さんは、「共生社会をコンセプトに、各団体のボランティア活動を後押ししています」と言います。「学校の福祉体験学習の例では、聴覚障がい者の方が講師になって子どもたちに手話を教えることもあります。当センターに登録があるボランティアの中には、聴覚障がい者を支えるボランティアもいます。ボランティア活動で誰かを支えている人が他のところでは支えられる側になっていることもありますし、その逆の場合もあります。お互いに支え合って地域は成り立っているんです」と、強調します。「障がい当事者の方と子どもの頃から接し、見聞きして体験するのは、理解を深めるために大切な部分です。ボランティアの協力を得ながら、周りを支えたり、配慮したりする心を育てていきたいですね」。
新型コロナの流行で減っていた各ボランティアの活動も、令和5年度から少しずつ増えてきていると津久井さん。「ボランティアの方と話していると、活動への情熱を感じます。自分はまだまだだ、といつも頭の下がる思いです。平塚の地域福祉を進めていくため、これからも共に取り組んでいきます」。

◆始めてみようボランティア
ボランティアセンターでは、ボランティアをしたい人とボランティア団体とのマッチングをしています。関心のある分野を相談すると、ぴったりな団体などを紹介できます。ボランティアを始めてみませんか。

◇こんなボランティアも
・収穫ボランティア
収穫が放棄されたり困難だったりする果物や野菜を収穫します。収穫物は、子ども食堂などで活用されます。

・災害ボランティア
災害が起こった時に、災害ボランティアセンターを立ち上げます。災害には日頃からの備えが大切です。訓練や講座などで、いざという時に備えます。個人でも団体でも登録できます。

◆善意が力に 寄付金募集
社会福祉協議会の運営費は、市の拠出金と市民の皆さんや市内企業からの寄付金で設置される、社会福祉基金などで賄われています。地域の福祉活動を推進するため、皆さんの寄付を募集しています。
寄付の方法は、社会福祉協議会総務企画課(【電話】33-1377)へお問い合わせください。

問い合わせ:ボランティアセンター
【電話】33-0007

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