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自治体の皆さまへ

[特集]六つの点で伝える世界(2)

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神奈川県平塚市

◆あって良かった
・駅の階段の手すりは、ホームに向かう側には何番ホームか分かる点字、改札に向かう側には改札口の方向が分かる点字が付いているので、便利。
・市役所から送られる選挙の投票所整理券など、大事な書類には、封筒に点字が付いているので良い。
・エレベーターのボタンに点字があるので、行き先が分かって便利。

◆晴眼者はここに気を付けて
・点字シールは大事な目印。絶対に剥がさないで。
・点字ブロックに立ち止まって道をふさがないで。自転車を止めないで。
・白杖(はくじよう)を振って歩くので、ながらスマホなどで前を見ていない人がいると白杖が当たる危険が。

◆あればいいのに
・自動販売機の購入ボタンには点字が付いていないので、何が出るか分からない。
・食品に点字が付いていても、ジャムなら味に関わらず全部「ジャム」、お酒もワインやビールなど種類に関わらず全部「おさけ」としか書いていないので、味や種類が分からない。
・スーパーの陳列棚に、点字で分類があればいいな。
・飲食店のメニューの点字版がほしい。

◆点字で世界が広がる
◇点字学習は早い方が良い
平塚盲学校(追分10-1)には幼児から大人まで、さまざまな年齢の方が通っています。児童・生徒は週に1回1時間程度、授業で点字を学ぶ他、放課後の自主学習などでも学んでいます。
同校の英語科教諭の齋藤健二さんは、「点字は指先で集中して読むものです。学習を始める前段階として、ページの縦横を頭の中でイメージして空間を把握したり、指の感覚を養ったりします。手の動かし方も覚えていきます」と話します。点字の習得には、学習し始めた年齢や個人差が大きく影響します。「先天的に目が見えない場合と、大人になってから病気などで中途失明した場合では、やはり習得までのスピードが変わってきます。早ければ早いほど良いですが、後から習得するのも不可能ではありません」。

◇点字で自立の機会が増える
同校では、小学部の1年生から点字の学習を始めます。国語や算数などの授業でも、点字を使って学びます。早い子は学び始めて半年くらいで、多くの子は1年くらいで点字を読めるようになります。大人になってから学習を始めた場合は、習得に数年かかることもあるそうです。
「点字を学ぶことで、英語検定や教員採用試験、国家試験など外部の試験が受けられるようになります」と齋藤さん。「例えば、あん摩マッサージ指圧師やはり師・きゅう師の試験では、問題は音声で聞きますが解答は点字です。大人の生徒でも最低限、パーキンスブレイラーという点字タイプライター(本紙P3写真参照)で点字を打って答えられるように教えています」。点字を覚えると就業の機会も増え、自立した生活をすることにもつながります。「点字は晴眼者の活字と同じです。読み書きできるようになることで、生活が豊かになります」。

◇勉強の中での点字
同校高等部に通う3年生の鈴木颯太(そうた)さんは中学校2年生のときに視力が低下し、字を読むのが困難になりました。高等部から同校に入学し、本格的に点字学習を始めました。
「始めは形を覚えるのが大変で、一つ一つの点字を区別するのに苦労しました」と鈴木さん。「点字はローマ字表のように母音と子音の組み合わせで表すので、法則を覚えてからはだいぶ楽になりました。ただ『ち』と『そ』など、鏡合わせの形の文字は判別が難しかったです」。点字を習得してからは点字タイプライターで授業のメモを取れるようになり、勉強が楽になった、と笑顔を見せます。
「特に、数式や元素記号などは音声読み上げだと分かりにくいことがあるので、点字で学習する方が理解が深まります。点字を覚えることで世界が広がりました」

同校の学校図書館の蔵書数は約2万3,000冊。うち36%が点字図書です。広報ひらつか点字版も置いています。触れる絵本(本紙P3写真参照)の作成にはボランティアも協力しています。

◆色々な媒体でお届け
(1)(2)は視覚障がいがある、市内在住の方が対象です。

(1)広報ひらつか 点字版
神奈川ワークショップから、毎号郵送しています。自宅への送付を新たに希望する方は、広報課にお問い合わせください。

(2)声でも広報を楽しめます
音訳版の広報ひらつか「声の広報」は、平塚音訳赤十字奉仕団がボランティアで作成しています。CD版とデイジー版(目次や見出しの機能を記録した録音図書)があり、ボランティアセンターから郵送しています。新たに送付を希望する方は、広報課またはボランティアセンター【電話】33-0007にお問い合わせください。

(3)図書館でも貸し出ししています
広報ひらつか点字版と音訳版は、視覚障がいがある方に、郵送で貸し出ししています。条件など、詳しくは中央図書館【電話】31-0428にお問い合わせください。視覚障がいのない方には、一部の点字版を貸し出ししています。中央図書館カウンターでお尋ねください。

(4)広報をアプリで音声読み上げ
毎号の内容は、スマートフォン向けのアプリ「Catalog Pocket(カタログポケット)」で配信しています。音声読み上げ機能もあります。

◆点字を読んでみよう
字は母音のaiueoを表す(1)(2)(4)に子音(3)(5)(6)を組み合わせて50音を表します。「やゆよ」は「あうお」の点を下に降ろして右上の点を足します。「わゐゑを」は「あいえお」の点を下に降ろします☆

問い合わせ:広報課
【電話】21-8761

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