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[特集]主役は小松菜(1)

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神奈川県平塚市

平成10年4月から市の特産品に選ばれている小松菜。平塚産の小松菜は、「しょうなん小松菜」として、その品質が高く評価されています。今号では、品質を高める生産者の工夫やお勧めの食べ方、平塚産の小松菜の特徴などを紹介します。

◆一から学んだ安定した土作り
「安定して栽培できる土になるまで、5・6年はかかりました」と、金目地区で小松菜を栽培する栁川(やながわ)義明さんは、苦労を語ります。栁川さんは27年前に湘南農業協同組合管内の、小松菜などを扱う出荷組合に入り、父親と一緒に、先輩たちから栽培方法を学びました。
市内では水田転作作物として、昭和50年代から、小松菜の栽培が増えていきました。現在、5棟のハウス(270坪)で栽培する栁川さんの土地も、元は水田だったそうです。「田んぼを埋めた土地なので、土の状態も良くなかったんです。初めは、小松菜の大きさはバラバラで、思った通りに育ちませんでしたね。堆肥を大量に混ぜ込んで、土を作っていきました」と振り返ります。
農作物は、土の中に含まれる水分が多過ぎると酸素不足で生育が悪くなり、収穫量や品質が低下してしまいます。「小松菜は成長過程に適した湿度管理が大切です」と栁川さん。「収穫が近い小松菜は、水気が多いと腐れなどが起きやすいんです」と説明します。

◇人・環境に優しい
小松菜は、市内では豊田・城島・金目の各地区で、ハウスと露地での栽培が盛んです。平塚産は、減農薬・減化学肥料で、消費者が安心して食べられる栽培方法も評価されています。その工夫は生産者によってさまざま。栁川さんはハウスの両側にネットを張り虫の侵入を防ぐ(右写真)など、減農薬に努めています。
また安定した品質で生産し続けるために、土作りには特に気を使っています。「養豚をしている知人から譲り受けた堆肥を主体にした土作りをしています。地面が締まりやすいので、土を柔らかくするために、最近は試しに米ぬかを混ぜています」と減化学肥料の工夫を語ります。
夏は約25日、冬は約2カ月かかる小松菜栽培。栁川さんは種付け〜収穫を1年間で5・6回します。「毎回、土の状態を見ながら試行錯誤の繰り返しです。地面が固いと根の張りが悪くなり、水分・養分を吸う力が弱くなってしまうので、土作りは大切です」。

◆自信をもって届ける味
土以外も変動する栽培環境。最近は気候の変動が激しく、小松菜の栽培には厳しい状況が続いているとか。「最近は冬でも暖かい日が多くて、生育が早かったり虫が出やすかったりしています。自然にはかないませんね」と苦笑い。
気候変動は、品種選びにも影響を与えています。生産者が作業しやすい品種を選ぶので、店頭に並ぶ小松菜はさまざまな品種が混ざっています。栁川さんは「季節で品種を使い分けている時期もありましたが、気候が定まらないのでうまくはまらないことがここ数年多くて……。今年は初めて冬場まで同じ品種を使ってみています」と話します。実際に育てて、食べてみた中で、気に入った2・3品種を長い期間作付けしているそう。「やっぱり味の良い小松菜を届けたいですからね」。妥協せず、自然相手の厳しい状況と向き合っていました

◇甘みが増す冬
「冬は味が濃くなって甘みが増します」と栁川さん。「最近は土作りの成果なのか、甘さが増して安定してきたのを感じます」と自信を見せます。さらに、28センチメートルを少し超えるサイズを勧めます。「冬は少しオーバーサイズの方が甘く、味も濃いんです。肉厚な茎の部分を炒め物にするとシャキシャキした歯ごたえを楽しめます」。ちなみに、夏の小松菜は癖がなく、あっさりとした味わい。暑い日にさっぱりと食べられます。

◇消費者との交流
栁川さんの出荷先は湘南農業協同組合や、仕出し弁当を作っている市内企業など。現在はその一つの企業と、小松菜のグリーンカレーを試作中です。
自宅の直売所や市内企業のイベントでも販売しています。栁川さんの野菜の目印は手書きのシール。自宅の直売所では簡単なレシピも付けているそう。「『レシピを参考に食べたらおいしくて、野菜が好きになった』と、買ってくれた方から聞いたときは、『もっとおいしいものを作りたい』とやる気が出ましたね」と、消費者との交流の機会を大切にします。
「小松菜が市の特産品だったり、平塚が県内有数の生産地だったりするのを、意外と知らない方も多いのかな、と思うんです。平塚では今、若手の生産者も多く取り組んでいる野菜なんですよ」と栁川さん。「いろいろな料理に使って、平塚の小松菜のおいしさを、知ってもらえたらうれしいですね」。

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