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自治体の皆さまへ

特集Special Feature まちづくりの源泉(1)

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福井県美浜町

「なんとかせねば―――。」
地域の方々を突き動かしたのは、自分たちが生まれ育った地域が衰退していくのを身をもって感じた瞬間でした。
この地域の魅力を、この原風景を次の世代に残したい。
その一心で、集落の活性化に取り組む人たちがいます。
今月号の特集は、町内で集落の活性化に向けて取り組む団体の活動を紹介します。

■100年先まで持続可能な集落づくり 一般社団法人 佐柿国吉100年プラン推進委員会
高齢化や人口減少等の課題に直面する佐柿区では、100年先まで持続可能な組織づくりを目指し、さまざまな取り組みが行われています。
これまでの集落活動のあり方を見直し、国吉城とともに奮闘する佐柿の志を追いました。

▽法人の設立
一般社団法人佐柿国吉100年プラン推進委員会は、佐柿区が策定した集落元気プラン「佐柿国吉100年プラン」を推進する団体として令和4年2月に設立されました。構成員は、平成12年に発足された佐柿国吉会のメンバーを主とし、100年先も安心して暮らせる持続的な集落づくりを目指しています。
事業内容は、佐柿の町並みを保存し、集落内の環境美化に関することや若狭国吉城址跡の活用と保存に関すること、区内にある空家の利活用に関すること等、佐柿国吉100年プランを推進し、その実現に資する事業を行っています。

▽収入源
区内には、若狭国吉城歴史資料館があり、資料館の維持管理業務等の請負費が収入源となっています。
また、キーホルダーやTシャツ、御城印等のオリジナルグッズの販売により収入を得ています。
グッズ等の販売は、国吉城歴史資料館の他、道の駅若狭美浜はまびよりや国吉城まつりでも行っており、収益全体の3分の1を自分たちで稼ぎ出しています。
推進委員会では、これまで無料の奉仕作業として行われていた休耕田の草刈りや地区のイベントの雑務等を請け負い、参加した会員に対価を支払うことで人手不足の解消を図っています。

▽国吉城まつりをリニューアル
国吉城まつりの運営を請け負い、イベントの規模を拡大。ステージイベントに福井伝統工芸アイドルを招待したり、芸術家のライブペイントを開催する等して、当日は1,000人以上が来場するイベントとなり、オリジナルグッズの売り上げも向上しました。

▽集落づくりの推進
今後は、令和6年3月16日の北陸新幹線敦賀開業を見据え、観光ガイドの育成や休憩所整備等、佐柿区への観光客を受け入れる体制を整えていきます。

▽雇用を創出し、100年先までいきいき暮らせる集落づくり
(一社)佐柿国吉100年プラン推進委員会
代表理事 小畑 陽一(よういち)さん=佐柿=
(一社)佐柿国吉100年プラン推進委員会では、町や佐柿区、更には区民からの業務を請け負っています。これにより、区内に収益事業が生まれ、さまざまな資格や得意分野をもつ佐柿の人材を地域内で生かし、伝統文化の継承と歴史情緒の保存活動を行いつつ、いつまでも輝いて暮らせる集落づくりを行っています。
また、若狭国吉城歴史資料館とも連携し、集落内での雇用創出を図っています。おかげさまで法人の立ち上げから1年半が経過し、最近では佐柿区の方々に佐柿国吉100年プラン推進委員会の活動が浸透してきているとともに、隣の和田区や木野区にも活動が広がっていると感じています。
この法人の設立が終わりではなく始まりとして、佐柿をより良い町にしていきたいと思っています。
目指すところは、団体名にもあるように100年先まで持続可能な集落づくりですが、1歩ずつ地道に活動を続けていきたいと思います。

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