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7月28日は世界肝炎デー

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福岡県大川市

世界保健機関(WHO)は、世界的なウイルス性肝炎の蔓延防止や、患者・感染者に対する差別・偏見の解消、感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を世界肝炎デーと定めています。

高邦会 高木病院
肝臓内科部長 福島範子先生

■大川市で肝疾患に取り組む
20年以上前に高木病院に赴任した当時、私の診療のほとんどはC型肝炎、B型肝炎のウイルス性肝炎で苦しむ患者さまにあてていました。多くの患者さまの状況はきびしく、慢性肝炎から肝硬変症に進行していろいろな合併症に悩まされたり、肝がんも高率に発生していました。溜まりすぎた腹水を抜いたり、肝臓がんが破裂して腹腔内に出血しショック状態になった方の対応などに追われました。
当時はウイルスの制御が困難だったので、病状が次第に進行するのを抑えることができませんでした。しかしその後医学の進歩によりウイルスをゼロにしたり、増殖を制御して肝炎を鎮静化する治療薬が進歩したくさんの患者さまの状況が好転しています。
一方で、ウイルスに感染していることを知らない方や知っていても治療をあきらめたり、情報不足でためらっておられる方などまだまだたくさんいらっしゃるので、できるだけそのような方のお力になっていきたいと思っています。

■ウイルス肝炎とは
B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスによるものに代表されます。ウイルスがいることで肝臓に炎症が起こり、肝臓細胞は壊れ、線維が増えて肝臓が硬くなっていきます。しかし症状が出にくいため知らないうちに進行していきます。
線維が増えて硬くなったのが肝硬変症で、黄疸、腹水、食道静脈瘤の破裂による吐血、アンモニアが増加した意識障害など様々な合併症が出現します。肝硬変症になると肝臓にがんができてくるリスクが増えます。

◇C型肝炎の自然経過
・C型肝炎ウイルスに感染した方の約70%が慢性肝炎になります。
・C型慢性肝炎の30-40%の方は、約20年で肝硬変症となり、肝硬変では年に7%の方に肝臓がんが発生するといわれています。
(※詳しくは本紙をご覧ください。)

■ウイルス治療薬について
C型肝炎ウイルス薬は当初インターフェロン注射を主体にするものでした。副作用として高熱や筋肉痛のインフルエンザ様症状、体重減少、うつ状態などいろいろ認められるためつらい思いをされる方も多かったです。2014年に内服の抗ウイルス薬のみでの治療ができるようになりました。副作用が少なく、治療をあきらめていた高齢者やインターフェロン治療でウイルスが消えなかった方、肝硬変症に進んだ方でもウイルスを消すことができるようになりました。ウイルスを消すことで、肝硬変症への進行を抑え、肝臓がんの発生を減少させることができます。肝炎の治療薬については国が助成を行っています。

■院内掘り起こし計画
当院受診患者さまのHCV抗体、HBs抗原測定者のうち陽性者を拾い上げ、治療に結びつけるような仕組みを作っています。

■肝炎ウイルス検診を受けましょう
進行するまで自覚症状に乏しいため、検査をしてみて初めて感染を知ることが多いです。
通常の肝機能検査だけでは感染しているかどうかわかりません。一度は検診を受けましょう。
40歳以上で肝炎ウイルス検査を受けたことがない方(肝炎の治療中の方及び肝炎にかかったことがある方は除く)は500円で受診できます。40・45・50・55・60歳の節目の年齢の方は無料になります。
無料対象者には5月下旬に受診のご案内を送付しています。

■大川市がん征圧大会
がん予防に対する知識と理解を深めることにより、がんの早期発見・早期治療を促進し、健康の保持向上を図ることを目的として実施します。
今回お話を伺った高木病院肝臓内科部長の福島範子先生にご講演いただきます。
8月4日(金)14時~16時(受付13時30分~)
文化センター 小ホール
テーマ:「放っておかないで ウイルス肝炎」
講師:医療法人社団高邦会 高木病院
肝臓内科部長 福島範子先生

◇正しく知ろう!がんの知識
昨年好評だった、健康測定機器を使用した測定も実施いたします。
※事前申込不要

問合せ:健康課健康推進係
【電話】86-8450

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