■韓国の試験ジンクス
太宰府市国際交流員 金 辛泫(キム シンヒョン)
みなさん、以前コラムで紹介した「わかめスープを食べる日はいつ?」を覚えていますか。韓国では誕生日にわかめスープを食べますが、「ワカメは滑るから試験に滑ることがある」という説があり、試験日にはわかめスープを食べないと説明しました。今回はその続きで、韓国の試験に関するジンクスを紹介します。
韓国で一番大きな試験といえば、やはり「大学修学能力試験」、修能(スヌン)です。毎年11月の第3木曜日に行われ、本年は11月16日の予定です。なぜか試験の日になると他の日より急に寒くなることが多く、受験生の緊張した空気が集まったからだとする冗談のような意見もあるほどです。そこからできたジンクスが「修能寒波(スヌンハンパ):修学能力試験当日またはその近い日になると、とても寒くなり寒波が訪れる」です。
次は食べ物に関するジンクスです。試験日に食べてはいけないものとして、前に紹介したわかめスープのほかに、お粥があります。なぜでしょう。その理由は、韓国では「お粥を炊く」ことが努力したことを台無しにし、失敗した時に使う比ゆ的表現でもあるからです。逆に試験の前に食べるとよい物には飴(ヨッ)とか、大福(チャップサルトック)があります。どちらも粘り強い食感が特徴で、「口にくっつくように、大学にもくっつく」という意味が込められています。
このようなジンクスは大事な試験を控えた受験生たちの不安感と緊張感、そして切実さの現れでもあります。しかし、すべてのジンクスがそうであるよう、あまりにも妄信すると、むしろ体調を崩してしまう場合もあるので、流されないのも大事ですね。
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