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きゅうはく通信(155)

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福岡県太宰府市

九州国立博物館 文化財課

■九博の新しい仲間を紹介します
平成17年に開館した九州国立博物館は、「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」という理念のもと、日本とアジアとの文化交流を象徴する文化財を積極的に収集してきました。今回の「新収品展」では、令和4年度に購入あるいは受贈を通じて当館の収蔵となった作品の中から、選りすぐりの35件を見ることができます。ここではそのうち2件を紹介しましょう。
重要文化財の「鹿形埴輪(しかがたはにわ)」は、猟犬に追われた鹿が、足を止め、振り返って耳をそばだてる様子が表現されています。埴輪は当時の人々の生活を推測する上でも貴重な資料ですが、そういった点を別にしても、この愛らしさは見逃せません。「肩衝茶入(かたつきちゃいれ)銘富士」は高取焼の茶入で、端正な作りと、「富士」の銘に相応しい、山景色(やまげしき)のような釉薬(ゆうやく)の重ねが見どころです。高取焼は、福岡藩初代藩主・黒田長政(くろだながまさ)が朝鮮半島から渡来した陶工八山(とうこうはちざん)に命じ、現在の鷹取山の麓に開窯(かいよう)しました。二代藩主・忠之(ただゆき)と親交の深かった小堀遠州(こぼりえんしゅう)の指導を受けて以降、洗練された作風の茶陶を焼くようになり、本作もそのころの作と考えられます。
特定のテーマでくくられることの多い普段の展示とは異なり、新収品展は分野や素材、時代もさまざまな作品が一堂に会します。万緑の太宰府天満宮を抜けて、新しい九博の仲間たちにぜひ会いに来てください。

■7月の展示情報
○特別展(3階特別展示室)
・憧れの東洋陶磁―大阪市立東洋陶磁美術館の至宝
会期:7月11日(火)~9月3日(日)

○特集展示(4階文化交流展示室)
・新収品展
会期:開催中~7月17日(月・祝)

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