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自治体の皆さまへ

差別をなくすために 第466 号

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福岡県芦屋町

■ハンセン病と人権問題
現代では、感染することも発病することもほとんどないハンセン病ですが、治る病気であるにも関わらず、その患者は強制的に隔離されてきた歴史があります。全国で「無(む)らい県運動」が行われ、患者を見つけ出して療養所へ送り込み、保健所の職員が患者の自宅を徹底的に消毒するという光景は、人々の心にハンセン病は恐ろしいというイメージを植え付けました。
多くの患者は、突然、自宅から無理やり連れ出され、家族からも引き離されて療養所に入所させられました。療養所では退所も外出も許されず、療養所での作業を強いられたり、結婚の条件に子どもを産めないようにする手術を受けさせられたりするなどの人権侵害がありました。
また、ハンセン病への偏見や差別の目は、患者本人だけでなく、その家族たちにも向けられてきました。学校や職場で厳しい差別を受け、居場所をなくし、中には婚約を破棄される人もいました。そのため、家族は、身内にハンセン病の入所者がいることを隠し、世間の目におびえながら生きていかなくてはなりませんでした。
隔離するための法律は廃止されましたが、この病気に対する偏見や差別はなくなっておらず、今も元患者やその家族は苦しんでいます。この偏見や差別を解消するには、ハンセン病に関する正しい知識とハンセン病患者・元患者やその家族が置かれている現実を理解することが必要です。また、今の社会の中には、この病気だけではなく、人種、年齢、障がい、性別、出身地などによる偏見や差別があります。そうした人権をめぐるさまざまな問題を解決していくためには、一人一人が人権尊重の精神を持つことが大切です。人権が尊重される社会の実現に向けて、わたしたちに何ができるのか、ぜひ考えてみてください。

芦屋町人権・同和教育研究協議会

問合せ:社会教育係
【電話】223-3546

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