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新緑映える赤村の初夏 神幸祭

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福岡県赤村

■我鹿八幡(あがはちまん) 光明八幡(こうみょうはちまん) 神幸祭(じんこうさい) 5/4・5

搔(か)き棒から伝わる山笠の重み。五月晴(さつきばれ)の空にはためく幟(のぼり)旗。期待と緊張を胸に、渾身の力を込める搔き手たちと共に、山笠は坂を登ります。
下赤地区(我鹿八幡神社)からは山笠と子ども山笠が、上赤地区(光明八幡神社)からは子ども神輿(みこし)が発ち、参加者たちは4年ぶりに本格再開した神幸祭を謳歌(おうか)しました。威勢の良い掛け声と木やりの音色は四方へ響き、独特の高揚感が赤村を駆け巡りました。

下赤地区では双葉子ども会が地域を練り歩きました。立ち寄った家々では炊き出しの食事が振舞われ、久しぶりの賑わいに地域は活気に満ちました。台車の片輪を持ち上げ、大人9人がかりで披露する名物の大回転には歓声と拍手が贈られました。
上赤地区を発した子ども神輿はたる酒に刺した馬簾(ばれん)が特徴です。各家に配るため用意された250本はすべて上赤子ども会の手作り。大人たちが竹を細く切り分け、紙飾りを子どもたちが貼り付けました。3年ぶりの馬簾配布に住民からは「やっと新品を飾れる」と笑みがこぼれました。
4日夜には今川公園で巫女(みこ)による舞や我鹿太鼓による演奏が披露され、伝統行事に花を添えました。

▽次の世代に受け継ぐ
山笠保存会
小林利夫(こばやしとしお)会長
安全安心な祭りに向けて、山笠の組み立てや飾りつけ、周辺の草刈りなど、地元全体で準備を重ねてきました。村の無形文化遺産を守るため、若い世代の参加を期待しています。

▽会ってすぐ「仲間」に戻れる
前赤駐在
髙倉克明(たかくらかつあき)さん
4年ぶりに参加しました。赤村を離れて長くたつのに、村の人たちは「駐在さん」と声をかけて歓迎してくれます。山笠の鐘の音を聞くと心が弾みます。

江戸時代前期に「五穀豊穣」「無病息災」を願い始まった赤村の神幸祭。英彦山を起点として広まる祭りの中でも最大の大きさを誇る山笠は、高さ20メートル、重さは推定5トンほど。柳飾りを支える2本の長いヒノキ(大ざし、小ざし)はクレーン車で釣り上げて設置されており、金糸で織り込まれた獅子や4段に彩られたラシャの幕の絢爛さが目を惹きます。
かつては各地区から「川渡り」で集結した5基の山笠が壮麗な姿を見せていました。現在は地元有志らによる山笠保存会が運営しています。
コロナ禍による制約が解かれた復活の神幸祭。形は変われど思いは変わらず。400年の時を越え、故郷を愛する人々の心が、今も伝統行事を守り続けています。

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