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写真が語る「いわき」の歴史

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福島県いわき市

■村有林を個人に払い下げ
発足したばかりの明治政府は、土地と税を根本的に変えるため、明治六(一八七三)年七月、土地の私的所有権を認めることなどを内容とする「地租改正法」を公布しました。
大久村が管理していた林野は個人が特定できないとして、国所有となってしまいましたが、村民の努力でようやく明治四十三(一九一〇)年に三千ヘクタールを村有林として戻すことができ、以後、大久村は〝森林王国〞として豊かな村になりました。
しかし、戦争に伴う過剰な伐採などで山は荒れ、村民の生活も安定しなかったことから、村当局は〝村を救うためには林業の振興が必要〞として村有林を安価で貸し付けてスギやヒノキを植林しました。
その後、村保有の約千ヘクタールを村民四百戸余に一〜二・五ヘクタールの割合で払い下げするという、全国的にも画期的な施策を推進。当初は反対運動が起こりましたが、この案件は昭和三十七(一九六二)年九月開会の村議会で可決され、各戸に払い下げられました。
村有林の払い下げの記念碑除幕式は、昭和三十九(一九六四)年十一月に大久川に架かる禰宜内橋のたもとで盛大に行われました。
しかし、この頃から安価な外国産の木材が輸入されるようになり、木材価格は低迷。近年、伐採期を迎え、国内木材価格が少しずつ持ち直す傾向が見られますが、それまでの間、社会システムの変革とはいえ、長い〝冬の時代〞を過ごさなければならなくなるのです。

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