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〔特集1〕小名浜港が果たす役割(1)

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福島県いわき市

■意外と知られていない 小名浜港が果たす役割
貿易の玄関口として地域や暮らしを支えている小名浜港の知られざる機能や役割、そしてこれからの挑戦を紹介します

▼POINT(1)
ー日本の貿易の中心は「港湾」ー
日本は、世界有数の貿易大国であり、私たちの暮らしに必要なエネルギー、資源、食料の多くを輸入に頼っています。
こうした貿易量の99%(重量ベース)は、海上輸送によって運ばれており、港湾は、貿易の中心的な役割を担っています。
・輸出入貨物の貿易手段割合
船:99.5%
飛行機:0.5%

◇小名浜港の歴史
小名浜港の歴史は古く、江戸時代に幕府上納米の積出港として港湾の基礎が築かれ、明治時代以降は常磐炭鉱から産出される石炭の積出港として栄えました。
昭和31年の関税法による開港指定を受けて以来、国際貿易港として多くの歴史を刻み、本市発展の原動力として、地域経済を支えるとともに、わが国の発展の一翼を担ってきました。

▼POINT(2)
ー東日本地域のエネルギー供給拠点ー
福島県の沿岸部には多くの火力発電所が立地しており、東北地方や首都圏への電力供給を担っています。
小名浜港は、これらの火力発電所が使用する石炭の供給拠点港として活躍しています。小名浜港で取り扱われる貨物のうち、石炭は、全体の約6割を占めており、平成23年に東日本で唯一「国際バルク戦略港湾(石炭)※」に選定されたほか、平成25年には、全国初となる「特定貨物輸入拠点港湾」に指定されました。
これを受け、小名浜マリンブリッジの先にある東港地区(人工島)において、国内最大級となる大水深耐震強化岸壁を備えた「小名浜港国際バルクターミナル」が昨年6月に全面供用開始となりました。これにより石炭を輸送する船の中で最も大きい船型の入港が可能となり、大型船を活用して、石炭の安定的かつ効率的な調達を実現させ、産業競争力の強化に貢献しています。
さらに、市内にある国内最大級の木質バイオマス発電所への燃料供給をはじめ、県内に建設される大型風力発電所への部材供給など、再生可能エネルギーの推進においても重要な役割を担っています。
小名浜港を通じて燃料を輸送している火力発電所およびバイオマス発電所などにおける発電能力を合わせると約130万世帯分に相当する電力となります(一世帯当たり30A・100Vとして換算)。
このように、小名浜港は、東日本地域におけるエネルギー供給を支える物流拠点として、多様な産業・雇用効果を発揮させながら地域経済を下支えしています。

◇国際バルク戦略港湾とは
わが国の産業や暮らしに欠かせない物資である石炭、鉄鉱石、穀物(通称/バルク貨物)の安価かつ安定的な輸送を実現するため、国土交通省が国内有数の国際物流拠点となる港湾を選定。

▼POINT(3)
ー小名浜港のこれから…カーボンニュートラルポートー
2050年、脱炭素社会の実現に向け、小名浜港の新たな挑戦が始まっています。
水素や燃料アンモニア等の次世代エネルギーの輸入や貯蔵、利活用などを図るとともに、脱炭素化に配慮した港のさらなる高度化を通じて温室効果ガスの排出抑制に寄与する「カーボンニュートラルポート」の実現を目指し、現在、福島県が「小名浜港港湾脱炭素化推進計画」の策定を進めています。
また、物流や観光ネットワークの強化を図るため、小名浜港から常磐自動車道にアクセスできる「小名浜道路」の整備も進められています。泉町を起点とし、山田町に至る全長8.3kmの無料で通行できる自動車専用道路です。現在は全区間での工事に着手しており、2020年代初頭の完成を目指しています。

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