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輝いている人を紹介します まちのキラリ

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福島県伊達市

霊山神社濫觴武楽(らんじょうぶがく)隊 隊長 大橋吉成(よしなり)さん(霊山地域)

少子高齢化で伝承が厳しい現状にありながらも、「ずっと続いてきた濫觴武楽をなくすわけにはいかない」との一心で、地域の中心となって濫觴武楽隊を牽引(けんいん)し、地域を盛り上げてきた大橋さんに、伝承への想いを伺った。

■起源は南北朝、伝統脈々
濫觴武楽は、南北朝時代に北畠顕家が国府を霊山に移し、入城する時に民衆が踊ったのが始まりです。旗持(はたもち)、隊長、鎧兜(よろいかぶと)、法螺貝(ほらがい)、笛、長刀(なぎなた)、軍配(ぐんばい)、ささら、太鼓、太刀振(たちふり)などさまざまな役割があり、霊山神社の長い石段を登って奉納に向かいます。太刀振が一斉に刀をかざして踊るところが一番の見どころです。

■祭りを支えて半世紀
勤めに出た18歳の時からまつり青年団として携わり、54年になります。濫觴武楽隊の参与や顧問として、演奏や太刀振の補助や指導をしてきました。祭りを通していろいろな人とお付き合いをし、伝統文化がある大石に生まれた縁を感じています。
昔は濫觴武楽隊が40〜50人いて、行列の後ろが境内に入りきれないほどでした。今は子どもだけではなく、隊を支える40代から60代の大人が少なくなってきて、継承するのが厳しい現状にあります。

■コロナで休止に…北又獅子舞
同じく大石の北方部に伝わる北又獅子舞も存続が難しい状況にあります。7年に一度、新しい子どもたちに引き継ぐのですが、コロナで3年間休んだので引き継ぎがうまくできず、やむを得ず休止しています。私が小さかった頃は子どもが多くて獅子舞の一団に入れず、うらやましく思ったものです。5〜10歳の子どもが一生懸命舞う姿がかわいくて、無くしたくない大切な文化です。

■濫觴武楽・継承への想い
大石小閉校前は、総合学習の時間に4〜6年生に太刀振を教え、祭礼には子どもたちと先生方も濫觴の舞に参加していました。掛田小と統合になってからも6年生に教えに行きましたが、中学生になると部活動が忙しく、参加が難しいこともあります。子どもたちにどう参加してもらうかが今後の課題です。
年をとっても関わり続けるのは、「バカ」が付くくらい祭りが好きで、大石に生まれた人間として地区を盛り上げ、元気にしたいからです。670年も前から続いてきた伝統を、自分たちの代で終わりにしたくありません。世代交代をはかりながら100年も200年も続けていきたいと思っています。

◆Profile
おおはし よしなり
1950年霊山町大石生まれ。18歳の頃から地元の「北組まつり青年団」に加わり、濫觴武楽や北又獅子舞の継承のため、長年にわたり尽力してきた。その他、スポーツ少年団のバレー指導や霊山太鼓保存会副会長、農業委員会委員など、地域におけるさまざまな役を引き受け、地域の振興と後進の育成に力を注いでいる。

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