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自治体の皆さまへ

【特集】「手話言語及びコミュニケーション手段に関する条例」を制定しました(1)

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福島県会津若松市

■伝える思い伝わるキモチ
▽知っていますか?多様なコミュニケーション手段
皆さんは、障がいのある人とのコミュニケーション手段と聞くと、何を思い浮かべますか。意思や感情を相手と伝え合うコミュニケーションの方法は、障がいの特性や程度によってさまざまです。
市では、今年3月に「手話言語及びコミュニケーション手段に関する条例」を制定しました。手話言語は、聴覚障がいのある人にとって、日常生活を送るために必要な手段であり、ひとつの言語です。また、手話言語のほかにも、多様なコミュニケーション手段があります。
障がいの特性に応じたコミュニケーション手段を使うことで、障がいのある人との交流が深まります。交流を通して、障がいのある人もない人もお互いを理解し、地域で支え合いながら安心して生活できる共生社会を目指して、取り組みを進めていきます。

▽多様なコミュニケーション手段とは?
主なコミュニケーション手段には、障がいの特性や程度によってさまざまな種類があります。
主なコミュニケーション手段:
・手話言語
・点字
・要約筆記
・筆談
・音訳
・拡大文字
・簡単な表現
・実物やイラストの提示など

■合理的配慮をお願いします
障がいを理由に正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、制限したりする「不当な差別的取扱い」は法律で禁止されています。また、障がいのある人から配慮を求められたとき、対応する人の負担が重すぎない範囲で対応することを「合理的配慮」といいます。車いすを利用する人のために段差にスロープを設置する、聴覚障がいのある人と筆談や手話でコミュニケーションをとるなど、私たちにもできることはたくさんあります。できることから始めてみませんか。

■条例に込めた会津若松らしさ
(一社)福島県聴覚障害者協会会津支部支部長 あいづ聴覚障害者協会会長 髙畑公一さん
初めて市に条例の必要性を話した平成26年から今日までの間、私たちは手話に対する理解促進のためにさまざまな活動を続けてきました。市長との対話集会を開催したり、会津図書館に本を寄贈したり…。神明通りでごみ拾いをしながら市民への啓発をしたこともありました。今回、条例が制定されたことは、大変喜ばしいことだと思います。条例の制定に向けて市議会へ陳情したときや、市民から意見を募ったときも反対意見は無く、当事者以外の皆さんの反応が温かかったことが何よりうれしいです。
会津若松市は市役所に手話通訳士がいて、これは自治体としては珍しいことです。市役所に行けば手話で相談することができるという安心感があるのは、本当に心強く感じています。条例の制定は全国の自治体で進んでいますが、会津若松市は条例の制定にあたり、私たちろう者の意見をよく聞いてくれました。そのおかげでこの条文には私たちの思いが詰まっています。条例に会津若松らしさが入っているんです。この条例をきっかけに手話への理解が進み、会津若松市がさらに安心して暮らすことができる「共生社会」になるといいですね。
今後、ますますICT化が進み、時代が変わっていく中で、条例の内容を見直すこともあるかもしれないですが、前の世代のたくさんの苦労の上にある今のこの社会を、次の世代につないでいけたらと思います。将来は「この条例があるから手話を使う」というより「手話があるのが当たり前」という社会になってほしいですね。

■心が通うコミュニケーションを
会津若松市手をつなぐ親の会会長 渡部香世子さん
手をつなぐ親の会は、主に知的障がいのある子の親による団体で、現在51人が所属しています。月1回程度の定例会で交流を図っています。親の会は、障がいのある子をもつ親たちが協力し合う場です。防災や福祉サービスといった話題から、日常生活の中のちょっとした不安や困りごとまで知恵を出し合い、子どもとの生活を円滑にすることを目指しています。
知的障がいのある子どもたちの多くは、自ら進んでコミュニケーションをとることができません。そして、見た目で障がいがあることが分かりにくいため、困っていても助けてもらえないこともあります。まわりの人も声を掛けるのをためらうのかもしれません。でも、もし困っているなと思ったら、ぜひ声を掛けてください。言葉が通じにくいと感じたら、ジェスチャーや指さしなどの身振りも有効ですし、身のまわりのピクトグラム*なども活用できます。簡単なことでいいので、できることからやってもらえるとうれしいです。
条例制定にあたり、コミュニケーションをとることが難しい人向けの聞き取りが何度かあり、ありがたかったです。この条例が、コミュニケーションに苦労している人や苦手にしている人がいることを知ってもらい、どう手助けができるかを考えるきっかけになってくれればと思います。
*ピクトグラム:情報や案内などを単純な絵や図形で表したもの。「絵文字」「絵記号」と呼ばれることもある

問合せ:障がい者支援課
【電話】39・1241

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