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おしえて博物館-五十四-

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福島県南相馬市

『サッタロウって?』

「サッタロウ」という名の魚を知っていますか。サッタロウというのは相双地域の方言で、標準和名はケムシカジカといいます。主に東北地方・石川県以北に生息し、卵を持つ晩秋から冬の時期が旬とされます。
この魚の特徴は、地域によってさまざまな呼び名があることです。当地域ではサッタロウのほかにもサンタロウやオマツリ、オコゼなどと呼ばれています。また、いわき地方ではヤマノカミ、宮城県ではボッケ、山形県はシゲエム、秋田県はスゴエモン、北海道ではトウベツカジカやカワムキカジカにナベコワシなど…他にもたくさんあるようです。これほど多くの呼び名をもつのは、それだけ各地で親しまれている証しでしょう。
当地域では、漁村や釣り人などにはよく知られていますが、一般にはあまりなじみがない魚です。
外見はなかなかの迫力です。飛び出た目に鋭い歯。ざらりとして突起のある体は岩礁(がんしょう)を彷彿(ほうふつ)とさせ、茶や赤、紫などを帯びた褐色のまだら模様があります。とてもおいしそうには見えないのですが、身はきれいな白身で淡泊な味わいです。
食べ方は、汁物や煮付けにすることが多いようですが、サッタロウの味を知る人は「卵がうまい」と口をそろえて言います。イクラよりも一回りほど小ぶりな卵をしょうゆ漬けにして食べるのが一番おいしい食べ方なのだとか。さばくと身(可食部)が少ないこともこの食べ方が人気の理由のようです。
サッタロウは、ときどき市内のスーパーでも売っていることがあります。どんな魚か興味のある方は、鮮魚売り場をこまめにチェックしていると出会えるかもしれませんね。

問合せ:市博物館
【電話】23-6421

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