令和6年の輝かしい新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げますとともに、町民の皆さまのご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から3月11日で13年を迎えます。双葉町は、全町避難から11年5カ月となる一昨年の8月30日に旧特定復興再生拠点区域の避難指示が解除され、住民帰還が始まり1年4カ月が経過しました。自宅に戻られた方、駅西住宅に入居された方、民間アパートに住まれている方、新たに自宅を再建された方など約100人がそれぞれ町内で生活をしております。
駅西側に整備を進めている災害公営住宅、再生賃貸住宅については、建設が遅れていたロータリー南エリア47戸についても本年5月末には全てが完成する予定です。駅西住宅内に昨年2月に開業した双葉町診療所では、週3日の診療をはじめ予防接種等が行われており、オンラインで薬剤師の服薬指導を受け、宅配で薬を受け取るサービスの服薬指導実証事業も始まりました。
昨年を振り返りますと、8月に産業交流センター内にコンビニエンスストアのファミリーマート産業交流センターS(サテライト)店がオープンし、町内での買い物環境の利便性が高まりました。
また、町内の安全・安心につながる防災活動に大きく寄与する双葉町消防団第1分団、第2分団の新しい消防屯所が落成しました。
さらに、中野地区復興産業拠点に進出したアパレルメーカーであるフレックスジャパン株式会社「ひなた工房双葉」が落成し、営業を始めました。
10月には、不動産業の大和ライフネクスト株式会社と企業立地協定を締結しました。大和ライフネクスト株式会社は、経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を活用して、双葉町にカンファレンスホテルを建設します。令和7年度に開業する予定であり、交流人口の拡大につながることから、双葉町の復興にさらに弾みがつくものと大きな期待を寄せております。
12月には矢吹町に本社がある食品製造販売の東日本ロハス株式会社と企業立地協定を締結しました。中野地区復興産業拠点内に立地する企業については現在22件26社との立地協定を締結しており、拠点内には企業の建物が立ち並んできております。
町内の帰還困難区域については、国において、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、町の復興・再生に責任を持って取り組むこととしております。一昨年に国と共同で行った帰還意向調査の結果を踏まえ、特定帰還居住区域復興再生計画が昨年9月に認定され、12月には先行分である下長塚行政区、三字行政区の一部で除染が開始されました。先行分以外の地区においても帰還意向調査の結果を踏まえて、今後特定帰還居住区域を拡大し、全域の除染、解除が実現されるまで粘り強く要望を継続してまいります。
避難指示が解除された旧特定復興再生拠点区域内の除染後農地は、営農再開を前提に6地区で保全管理が行われておりますが、国の補助金による保全管理事業は令和6年度で終了することから、令和7年度から営農再開できるよう各地区での地域計画の策定に取り組んでまいります。
町立学校の町内での再開については、昨年5月に双葉町学校設置検討委員会を立ち上げ、有識者や町立学校代表者などでさまざまな角度から議論を深めており、今年度中には基本構想が決まる予定です。
町民の皆さまの生活を支える各種支援策の継続・拡充や原子力損害賠償についても今後も粘り強く国等に要請していく所存です。
昨年10月に、一般社団法人ふたばプロジェクトに委託している町内の戸別巡回業務において、町民の皆さまに不安を与える不適切な事案が発生し、ご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今後このようなことが起きないよう指導を徹底してまいります。
結びに、本年も復興まちづくり計画(第三次)に基づき、町民の皆さまの帰還に向けた生活環境の整備と移住等を促進する一方、交流人口の拡大を図るため議会と連携しながら職員とともに町の復旧・復興、並びに町民の皆さまの生活支援や絆の維持に関する事業に精力的に取り組み、ふるさと双葉町を未来に繋いでいくために復興まちづくりを進めてまいりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
寒さの厳しき折、町民の皆さまには健康に留意され、本年が良き年となりますようご祈念申し上げ年頭の挨拶といたします。
双葉町長 伊澤 史朗
・副町長 徳永修宏
・副町長 平岩邦弘
・教育長 舘下明夫
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