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6月4日〜10日は歯と口の健康週間

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福島県喜多方市

耶麻歯科医師会長
歯科医師 佐藤明

■本当は怖い歯茎の出血
リンゴをかじった時や、歯磨きの際出血に気づいたことはありませんか?今回は歯茎からの出血が何を意味するかについて話をしたいと思います。
まず、歯茎から出血するということは、歯肉粘膜の裏側に分布している毛細血管が傷つき、破れて穴が開いているという状態を意味します。その場合、口の中に存在している多数の細菌が破れた穴から血管内に入り込み、血流を通して全身を駆け巡ります。つまり、脳から心臓、頭のてっぺんからつま先まで口の中で生息している細菌が血流に乗り循環することになります。
口の中の多数の細菌の中でも特定の歯周病菌、むし歯菌たちがいろいろな悪さをすることがわかってきており、脳出血、脳梗塞などの脳血管疾患や、心筋梗塞などの心臓血管疾患、感染性心内膜炎などと関連していることが明らかにされています。
以前の歯科治療では、ブラッシング時の出血に対して、「正しくブラッシングされていれば出血は気にしなくて良い。特に初めて歯間ブラシなどの補助用具を用いる場合、今まで届いていなかった部分の清掃をするので出血することが多く、歯肉の状態が良くなれば出血しなくなる。」などの説明をしていました。一概に間違いな説明とは言えませんが【出血を恐れずに】という概念は大きな間違いであったと言えます。
日本人の文化的特性かもしれませんが、歯磨き剤が完全になくなるまで徹底的に洗口し、洗口剤は歯みがきの後に用いる人が大多数です。歯茎の出血の影響を考慮すると、歯磨き前によく水で洗口し、出血する人は歯みがき前に必ず洗口剤を用いる順番が大切です。歯みがき後の水での洗口はほどほどにすることが推奨されます。
脳や心臓に限らず、歯周病菌、むし歯菌によって小さな梗塞は自覚症状がないままに日常的に生じていると言われています。梗塞は突然ではなく、若い頃から小さな梗塞が繰り返され、積み重なりで大きな梗塞に繋がります。
歯周病は骨の成長が止まる20歳ぐらいから始まり30歳で急速にリスクが高くなる病気です。症状がなくても、定期的な歯科受診で口腔の健康管理をお勧めします。

問合せ:保健課 健康推進室
【電話】24-5223

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