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ほっときらり通信

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福島県喜多方市

喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」
医師 武田仁

■老化の速さを決めるのは、遺伝3割、環境7割
みなさんこんにちは、今回は老化の話です。老化は人間では避けられない現象ですが、同じ年齢なのにとても老けて見える方、逆にとても若々しく見える方がいたりします。この違いはどこから来るのでしょう。
人体は約60兆個の細胞からできていますが、この細胞一つひとつが加齢により老化します。見た目はほとんど変化がなくても、細胞の機能や能力が衰えたり、癌を生じやすいものが少しずつ増えてきます。体の老化には、細胞の老化が大きく関わっているのです。
老化の進み方には、遺伝要因が3割、環境要因が7割程度関係しているとされています。老化を早める環境要因には、高血圧や糖尿病、肥満症などの生活習慣病、タバコの煙などの有害物質への曝露、厳しい生活環境、慢性的な心身のストレスなどがあります。たとえばアフリカ系米国人は、教育程度や収入に関わらず、他の米国人よりも平均余命が5〜10パーセントも短いのですが、これは遺伝的な体質の違いではなく、教育、雇用、医療などさまざまな面で受けている社会的差別とそれに伴う生活環境の格差、心身のストレスが大きな要因と考えられています。これらの環境要因が、細胞そのものの老化を進めることがさまざまな研究から明らかになっています。
老化の3割の遺伝要因を変えることは難しいですが、7割の環境要因には、改善の余地が残されています。喫煙や過量飲酒、食べすぎ、運動不足などの有害な要素をできるだけ減らし、全身の細胞の老化を和らげる生活習慣を心がけたいものです。

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