■第十一回 内谷のひかりもの
ここ通る やつは殺すと 内谷の火の玉
内谷に、春日神社という神様があります。昔から太々神楽のお祭りが盛んで、近くの人たちが集まって、とても賑わっていました。神社の裏手の方は竹やぶになっていて、内谷の西から鳥取に越えるためによく通られていたようです。
むかし、鳥取から越えてきた人たちが、竹やぶの上の方の枝から、ひかりものが下りてくるのを見つけました。遠くから見ていると何でもない。しばらくして、大丈夫だなと思って近くまで行ってみると、今度は火の玉になって、それから鬼夜叉のような顔になって、「ここを通るやつは、みんな喰い殺してしまう」というようなことを言いました。
恐ろしくて、そこを通ることができなくなってしまったので、皆でお寺に助けを求めに行って、和尚さんに拝んでもらったところ、やっと通れるようになったそうです。
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