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東日本大震災から12年6カ月を迎えて~広野町復興創生の日~

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福島県広野町

広野町長 遠藤 智

東日本大震災並びに原子力災害から12年半が経過しました。この大震災より、今日に至るまで尊い命を亡くされました直接死と震災関連死を併せた49名の方々のご冥福をお祈りし、被災された全ての皆様に心よりお見舞い申し上げます。
これまで、町民の皆様の懸命なご努力と国内外からの温かいご支援により、全町避難を余儀なくされてから、町民一人ひとりが納得して帰還する“Early Return to Happy Return”「幸せな帰町」を捉え、除染による環境回復、放射線による健康不安の払拭、災害に強いまちづくりを念頭としたインフラの復旧・整備、商業施設や医療福祉施設の整備、広野こども園、ふたば未来学園中高一貫校を始めとする教育環境の体制整備等、生活環境を一つひとつ確立し、9割の帰還を成し得て、廃炉・復興関係事業者や他市町村からの避難者を含めた約6、000人の〝原子力災害からの共生のまちづくり〟に取り組んでまいりました。
広野駅東側整備事業においては、広野駅前東口広場、未来のかけ橋が完成したほか、広野みらいオフィス、ホテルハタゴイン福島広野、馬場医院、広野薬局、広野町商工会等が立地しました。さらに、広野町復興計画に掲げる基本理念・目的を達成するため、復興事業のシンボルと位置付ける広野駅東側第二期開発地区の住宅地整備が完了し、震災後3回目の新たな「広野駅東側ニュータウン」が完成しました。若者子育て世代の定住・県外都市部等からの移住に重点を置き、住宅地購入の負担軽減となる補助制度を創設し、就労環境や企業マッチングに力を入れ、移住後の安定的な生活を支援していきます。移住・定住施策を展開するにあたり、国・県・地方自治体、NPO等地域団体、ひろぼークラブ、移住・定住応援隊、ふるさと福島広野会、大学などの高等学術機関、各企業等、関係するすべての皆様とネットワーク体制を構築し、様々な場面において情報を共有していきます。
未来を託す子どもたちの健やかな成長を育む幼保連携型認定こども園「ひろぱーく」の開園、ふたば未来学園中学校・高等学校の新校舎が開校し、教育の丘が形成され、約1、000人が日々勉学に励んでおります。今後において、協定を締結する早稲田大学環境総合研究センター、東京大学アイソトープ総合センター、東日本国際大学、福島高専との取り組みを充実・発展させ、福島国際研究教育機構(F-REI)に進出する研究施設や当地域の復興を支える人材育成に取り組み、若い人材を活かすための教育を充実させていきます。
「福祉のまちづくり」宣言を踏まえ、地域が抱えている医療・介護・福祉の様々な課題に対し、迅速かつ適切に対応するため関係機関と連携を図るとともに、健康増進事業を積極的に展開し、町のみんなが相互に連携・協働しながら健康づくりの輪を広げ、「日本一元気あふれるまち」の実現に取り組んでいきます。
火力発電所が立地するエネルギーの町として、広野火力発電所と一昨年運転を開始した広野IGCCとの未来に向けての共生を展望した脱カーボンを掲げ、脱炭素技術の開発促進、経済的な合理性、国等の政策との整合性を踏まえ、再生可能エネルギーを推進していきます。さらに、町内の企業や各家庭の省エネ化や脱炭素化を進めるため、環境省の交付金事業等を活用し、先行して公共施設等への太陽光・風力・バイオマス発電など、再生可能エネルギーの活用を図り、EV車等周辺設備の整備、水素・アンモニアの社会利用モデルの構築に取り組み、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指していきます。
福島第一原子力発電所の廃止措置等において、中長期ロードマップにおける2041年から2051年の完了に向けて、産業復興、研究開発や新たな産業創出を目的とした福島イノーベーション・コースト構想及び福島国際研究教育機構(F-REI)が推進されていきます。地震、津波、原子力発電所事故という世界でも類を見ない未曾有の複合災害を被り、先の見えない避難生活の日々から幾多の苦難を乗り越え、被災地に帰還を成し得た町として、これまでいただいたご支援・ご厚情に感謝し、ふる里での生活を取り戻したこれまでの軌跡を風化させることなく、継往開来の念を刻み後世に継承してまいります。
被災地復興の展望に向けて、〝広野町復興創生の日〟を緊急時避難準備区域が解除された9月30日を以て制定し、復旧から再生、第二期復興創生期間を刻み、町民と共に復興・創生へと希望に満ちた未来社会の創造に邁進してまいります。ふる里広野町の復興・創生の願いに向け、福島イノベーション・コースト構想に基づく未来創造、火力発電所が立地するエネルギーの町としてカーボンニュートラルやSDGS推進に向けた持続可能な地域社会の構築を念頭に、新たな時代の安心・安全な防災に強い「〝原子力災害からの共生のまちづくり〟」に力強く取り組んでまいります。
令和5年9月30日

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