謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
年頭に当たり町民の皆様には、今年一年のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、町政全般にわたり深いご理解と温かいご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが令和5年5月8日より5類感染症へと見直しがなされ、コロナ禍前の日常が戻りつつある現況において、コロナ禍により規模縮小となっていた「広野町サマーフェスティバル2023」をはじめ、「第26回ひろの童謡まつり」や「広野スタイル2023」、「ひろの秋祭り」などのイベントが通常開催され、たくさんの笑顔、喜びに包まれました。「ひろの童謡まつり」では、平成30年の「童謡のまち」宣言、令和4年の〝童謡によるまちづくり〟の先駆者である兵庫県たつの市との「日本一の童謡の里づくりのまち」共同声明を経て、10月5日を「ひろの童謡の日」として新たに記念日登録を行いました。先人が築き上げた歴史、伝統、文化を継承し、童謡が生まれた美しい里山、田園を渡る風、清らかな水を未来に繋ぐとともに、更なる〝童謡の継承〟と〝新たな童謡の発信〟に、より一層の振興を進めてまいります。
東日本大震災及び原子力事故から、第2期復興創生期間に歩みを進めるにあたり、広野町復興計画に掲げる基本理念・目的を達成するため、復興事業のシンボルに位置付けている広野駅東側第2期開発地区の宅地造成事業が7月に完了し、全47区画の新たな住宅用地「広野駅東ニュータウン」が完成しました。「自然と調和し暮らしをはぐくむまち~ Be in Harmony」をコンセプトに、子育て世代が安心して生活できる住環境を整備するとともに、魅力あるまちづくりにより移住・定住を促進し、未来創造に取り組んでまいります。
国は、福島をはじめ東北の復興を実現するため、創造的復興の中核拠点として福島国際研究教育機構(F-REI)を4月に設立し、震災と原発事故からの復興創生に向け、地域との連携強化を図っています。町といたしましても、歴史や文化の継承、世代、地域を超えて相互交流が生まれる場所として令和4年4月に開館した広野町文化交流施設「ひろの未来館」を拠点とし、地元のふたば未来学園や福島高専、東日本国際大学、東京大学、早稲田大学などの学術研究機関との連携、ご支援を賜りながら広く「復興を支える若人」が廃炉事業の完結へ、福島イノベーション・コースト構想による新エネルギー産業の創出に向けた復興人材の育成に引き続き取り組んでまいります。
広野町は、平成23年9月30日に緊急時避難準備区域が解除され、この日から町民一人ひとりが納得して帰還する「幸せな帰町」を捉え、インフラの復旧、商業施設の整備、医療福祉施設の整備、教育環境の体制整備等、生活環境を一つひとつ整え、町民の生活を守るための取り組みを加速させ、令和3年1月には町民帰還率9割を成し得ることができました。
被災地復興の展望に向けて、緊急時避難準備区域が解除された9月30日を「広野町復興創生の日」と制定し、復旧から再生、第2期復興創生期間を刻み、復興・創生へと希望に満ちた未来社会の創造に邁進してまいります。
ふる里広野町の歴史、伝統、文化に対する誇りを胸に、本年を〝ふる里復興・創生「創出の年」〟と位置付け、ふる里の歴史・伝統・文化を継承しながら、医療福祉、教育の充実、地域経済の更なる発展、福島国際研究教育機構と連動した復興人材の育成、新たな時代の安心・安全な防災に強い〝原子力事故からの共生のまちづくり〟に向け、町民の皆様とともに新たな未来創造を展望してまいります。
広野町の復興・再生は、国内、国際社会より多くの温かいご支援、ご厚情を賜り、着実に復興の歩みを進めてまいりました。震災から第2期復興創生期間を迎え、福島の復興に向けて、国をはじめとする関係機関と強固な結束、相互連携を図り、これまでご支援を賜りました皆様へ感謝の念を持ち、福島復興を成し遂げる決意を持って取り組んでまいります。
本年が、皆様と共に明るい夢と希望に満ちた幸せな年となるよう、心からお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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