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町の昔話コーナー

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福島県新地町

■百枚田
昔々、万作という百姓がおったと。この万作の自慢は百枚の田を持っているということだったと。ある年の田植えの時期「おらの家には百枚の田があっから、田を植えんのも容易でねぇ。手伝ってけんねぇが」とあちこちの人に声をかけたと。田植えの日、大勢の人が集まって、みんなで万作の田に行ってみたと。したらばそこは駒ケ嶺の西、相馬の方にのぼって行った山の中腹にある田だったと。「どごさ百枚の田あんのや?」みんなが見回しても百枚の田など見当たらなかったと。「よく見でけろ。ほら、ここさ一枚。ここさ一枚」と万作が指差す方を見ると、だんだんになった小さな田んぼがいっぱいあったと。
みんなで田植えをして帰り際に「本当に百枚あっか。数えてみっぺ」という事になって、みんなで数えてみたんだと。「一枚、二枚、三枚…」数えて「…九十八枚、九十九枚。あれ?百枚ないべした」という事になったと。みんなが何度数えても九十九枚しかないんだと。「百枚田なんて嘘だべした。九十九枚しかないべ。」数え終わって、みな帰るべとなった時、一人の人が置いていた蓑をひょいっと、たんがいだれば※1、その下から小さい田が一枚出てきたと。ほんで、今でも駒ケ嶺の西に百枚田※2という地名が残っているんだと。

※1 たんがいたれば 持ち上げてみたら
※2 百枚田 昭和30年以前、駒ケ嶺、猪コロバシから更に西、白子下の南部、相馬に近い地域に斜面を利用した棚田があって、その地域を指して百枚田と呼称していた。

新地語ってみっ会では、語り部による昔話や紙芝居など毎月第3土曜日13時30分から二羽渡神社南、おがわ観海堂(小野俊雄宅離れ)にて参加費無料で、公開しています。興味のある方はぜひご参加ください。

問い合わせ:新地語ってみっ会
【電話】62-2441

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