スティーブン・オーツさん
アメリカ合衆国テキサス州出身
(田村市に来て1年目)
■豊作
10月が来ると、日本人の生活にとって重大な行事「米の収穫」が行われます。日本には、土地を切り開いて整備された棚田が、地域の人々によって今も大切に管理されています。
田村市の稲田は、日本各地の農村地帯と似ていると思います。適する土地があれば、どこにでも稲田が作られます。冬や春の初め、棚田は乾燥して何もない状態ですが、ところどころに残る昨シーズンの収穫の跡が、市民が生活する上で欠かせない土地であることを思い出させてくれます。春の終わりの雨は、土地を浅い水で満たし、農家が長年従事してきた水田農業の準備をします。田植えは骨の折れる仕事で、ある部分は今でも手作業で行われています。5月初旬に、整然と並ぶ植えられたばかりの苗は、地域の景色を隅々まで彩ります。
蒸し暑い夏とよく降る雨は、稲を急速に成長させます。夏が終わって秋を迎え、黄金色の稲の波は、揺らめく海のように、そよ風に優しくなびきます。稲穂は実るほど頭(こうべ)を垂れ、農家の人たちはとても感謝します。10月は稲刈りがあるため、日本の農家にとって重労働な時期ですが、また信じられないくらい実りの月でもあります。
夏が終わると、紅葉、稲田の恵み、いつものように秋にやってくる涼しさを楽しみに待ちます。日本の冬の寒さに備える前に、このしばしの休息を大事にして、本年の収穫が豊作であることを願います。日本には、素晴らしい稲作文化があります。
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