医療センターだより

9／28

■まんざらでもない長生き
◆内科　長野展久
人生100年の時代といいながら、皆さまからは「よっぱら生きたからもう十分」「そんなに長生きしたくない」という声をよく耳にします。
確かに、年齢が進むにつれ身体のいうことがきかなくなり、肩や腰、膝が痛みだし、顔はわかるけど人の名前がでてこない、眼鏡や財布をさがしまわる…若いころには見られなかった諸事情は決して他人事ではないようです。
しかし、長生きも実はまんざらではありません。

▽年を取ることのメリット　その(1)
知恵が豊富になります。年齢とともに短期記憶能力の障害(簡単に言うと物忘れ)は進む一方で、日常問題の解決能力は20歳から右肩上がりに向上します。女性で言えば「おばあちゃんの知恵」はとても貴重ですよね。

▽年を取ることのメリット　その(2)
免疫力が上がります。「そういや最近は滅多に風邪をひかないなあ」、と感じるかたも多いのでは。調査によれば1年間に風邪をひく回数は幼な子に比べて半分以下です。

▽年を取ることのメリット　その(3)
アレルギーが改善します。今年はとくに多いといわれているスギの花粉症、鼻水がとまらないアレルギー性鼻炎、食品アレルギーなども年齢とともに軽減していくことが知られています。

どうですか?
避けて通ることのできない老化ではありますが、前向きになれることもいっぱいありますね。これからも皆さまとともにこころ穏やかに齢を重ねていきたいと思います。

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