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[特集]身近に潜むキケンなハチ(2)

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群馬県千代田町

■ハチを知る
◇ハチの特性を知ってうまく付き合おう。県立ぐんま昆虫の森で聞いてきました。
新しく女王となるスズメバチは朽ちた木の中などで越冬し、そのハチが4月から5月頃に1匹で巣を作ります。その後卵を生み、餌をやることで、幼虫はサナギになり働きバチに成長していきます。この働きバチたちが昆虫やイモムシをとらえ、肉団子にして幼虫に分け与えます。そして徐々に巣が大きくなり、大きさが目立ってくるのがお盆あたりです。この時期には300匹以上になり、巣の大きさは30〜80センチほどになります。そして8月頃からオスバチを産み始めます。女王バチは貯精嚢(ちょせいのう)という器官を持ち、自分の意志でオスとメスを生み分けることができます。そして、貯蓄した精子を貯めておくこともできます。
ちなみにオスバチは針を持たず、エサ集めや巣作りには参加しません。子孫繁栄のために女王と交尾し、寿命を迎えます。人を刺す危険性のあるハチはすべてメスです。というのもハチの針はメスが卵を生むための産卵管が変化したものといわれています。
10月頃に数はピークを迎え、1,000匹以上になります。秋になると成虫のエサである樹液が採れなくなり、警戒心も強くなります。
森林などではオオスズメバチがよく見られ、人の住むところにはキイロスズメバチやコガタスズメバチ、モンスズメバチが多く見られます。
スズメバチと聞くと猛毒を持ち、凶暴な性格だと思われますが基本的にはこちらが何もしなければ襲ってきません。威嚇することがあり、カチカチと顎を鳴らし始めると、それは攻撃の前兆です。スズメバチは危険だからすべて駆除して欲しいと思うかもしれませんが、スズメバチが絶滅してしまうと、様々な昆虫の捕食者がいなくなり生態系が崩れ、農作物を荒らす害虫が増え過ぎてしまうことも考えられます。
ハチの特性を知り、上手く付き合っていきましょう。

■ハチと共に生きる
◇ハチは怖くない。とてもかわいい生き物です。
人間に危害を加えるイメージの強いハチですが、養蜂家にとっては大切な存在です。私は20年以上ミツバチに携わり、ハチミツを作っています。
ミツバチは様々な花から花密を運んできてくれます。持ってくる花の種類によって、色や風味までまったく違います。
イチゴなどを作る果実農家にとってもミツバチは欠かせない生物で、受粉のために使うのですが、ミツバチ不足で農作物の出荷量に影響が出る場合もあります。
私はハチが大好きです。こちらからちょっかいを出さない限り、刺されることはほとんどありません。人間にって利益をもたらすこともあるハチと、うまく共存していくことが大切だと思います。

■取材を終えて
多くの方がハチに対して「怖い」や「いち早くいなくなってほしい」と思うでしょう。自分自身、スズメバチが急に近づいてきて驚いた経験があります。そんなハチですが、今回の特集でこちらから刺激しなければ襲ってくる可能性は低いことがわかっていただけたと思います。
そして、ハチは長い年月をかけて産卵管を針に変え、毒を持つという進化を遂げました。それは後世に子孫を残すため必要なものです。ハチも生きるために必死なのだから、人間も進化を遂げたことにより獲得した知恵で、避けられる危険はあるのではないでしょうか。
また、ハチには農作物の受粉や、田畑を荒らす害虫を駆除するというありがたい側面があることを理解しました。生活に支障がない場所に巣ができた場合は、駆除するだけではなく、ハチと共生についても考えて行きたいです。

■スズメバチの巣駆除に補助金が出ます
町では、スズメバチによる危害を防止し、安全を確保するため、スズメバチの巣駆除経費に対する補助金を交付しています。
対象者:スズメバチの巣を駆除会社に委託し、駆除した方
補助額:駆除に要した費用の2分の1
※上限額10,000円

問合せ:建設環境課・環境係
【電話】49-5200

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