■タカの渡り・サシバ
サシバはカラスくらいの大きさのタカの仲間。ヤマザクラが見ごろを迎えるころに、越冬地である南西諸島やフィリピンから海を越えて本州へやってくる渡り鳥です。サシバは絶滅危惧種に指定されていますが、田んぼのある里山に住んでいるため、他の猛禽類(もうきんるい)よりも姿を見かける機会の多い鳥です。
彼らは、餌場となる田んぼの近くの森林に巣を作り、カエルやトカゲ、ヘビ、ネズミ、カマキリなどを捕まえて巣で待つひなへ届けます。雪入の里にも毎年数羽が子育てのために訪れ、田んぼの近くにある電柱や大きな杉の木などのてっぺんに止まっている姿がよく見られます。
7月にはひなが巣立ち、家族で悠々と空を舞う姿を見かけるようになります。
9月に入ると、子育てを終えたサシバたちが、越冬地へ向けた渡りをはじめます。雪入山周辺は、サシバの渡りのコースになっていて、笠間や石岡方面から浅間山を越えてやってきたサシバたちが雪入ふれあいの里公園上空で旋回上昇し、千葉や東京方面に向けて一直線に飛んでいく様子を見ることができます。
渡りをするサシバは晴天の午前中に多く現れ、ハチクマやオオタカ、ノスリなど渡りをする他の種類の猛禽類も見ることができます。
問合せ:雪入ふれあいの里公園ネイチャーセンター
【電話】0299-59-7000
※来月は、かすみがうら市水族館によるコラムを掲載予定
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