文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集】最期まで自分らしく過ごすために 終活 1

4/43

茨城県古河市

終活という言葉を知っていますか? 終活は「人生の終わりについて考える活動」を略したもので、人生の最期を迎えるためのさまざまな準備や今までを振り返り総括することを指します。
この言葉は2009年に週刊誌から生み出されたとされ、世間の高い関心を集めました。その背景には、少子化や核家族化のほか、65歳以上の単身世帯が増加していることに加え、家族や周囲とのコミュニケーションの機会が減少していることや、頼れる家族がいないといった現代ならではの状況があると考えられます。2012年にはユーキャン新語・流行語大賞のトップ10にも選出されました。
ところが、言葉の認知度は高いものの実際に終活をしたことがある人は多くありません。「まだ先のこと」「死ぬときのことを話すなんて縁起でもない」などさまざまな考え方があると思います。しかし、終活は悲観的なものではありません。過去を振り返ることで、これからの人生を自分らしく過ごすためのヒントを見つける前向きな活動として広がりを見せています。
死と向き合い、残された時間を充実させるために、終活について一度考えてみませんか。

■終活が必要な理由は
昔は家族や地域とのつながりが強く、死後の整理を周囲に任せることができましたが、核家族化などが進んだ今は困難になりつつあります。家族や信頼できる人に必要な情報を伝え、自分が望む最期を迎えるためには、身の回りのことや気持ちを事前に整理しておくことが大切です。

■終活を始めるタイミングは
タイミングは人それぞれで、何歳からでも始めることができます。関心を持つきっかけとして多いのは、退職や還暦など人生の節目、健康に不安を抱え始めたときです。また、周囲から、万が一のための準備をしてほしいと促されて始める場合もあります。
終活は、体力はもちろん、気力や判断力がある時に行うのが理想です。情報収集をしっかり行い、考えながら進めていきましょう。

■終活をする4つのメリット
1 死に対しての不安を解消できる
いままで死に関する話題は、縁起が悪いと考えられていました。しかし、自分の考えや物事に整理がつくことで、目に見えない不安の解消につながります。

2 周囲の負担を減らす
自分の希望や本人しか知らない情報を書き残しておくことで、延命治療や葬儀に関する判断、さまざまな事務手続きなどを家族や周囲が円滑に行うことができます。

3 人生の振り返りができる
普段は、自分の人生を振り返る時間を取れない人も多いのではないでしょうか。人との出会いや出来事を振り返って自分の気持ちを整理し、今後の生き方を考えるなどの良い機会になります。

4 遺産相続のトラブルを回避できる
家族間で相続トラブルが起こり、裁判などに発展することもあります。憎み合う関係になるのは避けたいところです。あらかじめ財産の分配や相続方法などを示しておくことで、トラブルの防止にもなります。

終活を行う上で、これをやらなければいけないという決まりはありません。多くの人が取り組む内容としては(1)身の回りの物・財産の整理をする(2)医療や介護の希望をまとめる(3)葬儀やお墓について考える(4)エンディングノートを活用することが挙げられます。

■エンディングノートとは
終活を進める際、最初に取りかかりやすいのがエンディングノートの作成といわれています。万が一の時に必要な情報や自分の気持ち・希望を整理して形にするため、活動の指針にもなるからです。
次のページでは、エンディングノートに関する市の取り組みやノートの書き方などついて紹介します。

◇市ではエンディングノートを無料配布しています
高齢介護課では、超高齢社会に向けた対策の一つとして毎年エンディングノートを配布しています。令和元年度から始まった事業ですが、早いときでは約1週間で配布が終了した年もあり、市民の皆さんの関心の高さを実感しました。
そこで今年度は、さらなる内容の充実を図るために冊子をリニューアルしました。「デジタル資産やSNS、サブスクリプションに関する項目」「これからの人生を豊かに過ごすために考えておきたい項目」「大切な人へ伝えたい思いを綴(つづ)るページ」が大きな追加点です。
私たちは、誰もが旅立ちの日を迎えます。それまでの時間を充実させるために、ノートを活用していただけるとうれしいです。市ホームページでも冊子データを掲載していますので、ご覧ください。
(高齢介護課 中野和也係長「ぜひ、活用してください」)

配布期間:9月29日(金)まで(先着)
配布場所:
・(健)高齢介護課
・(総)市民総合窓口課、(古・三)市民総合窓口室
・古河断熱東公民館
・高齢者サポートセンター古河・総和・三和
※10月以降は(健)高齢介護課と各高齢者サポートセンターで配布。

問い合わせ:(健)高齢介護課
【電話】92-4921
※エンディングノートに法的効力はありません。

◇エンディングノートを書く際のポイント
エンディングノートは自分の希望や気持ちを形にするものです。書く内容に明確な決まりはありませんので、伝えておきたいことや書きやすい項目から始めましょう。
記入項目は(1)自分のこと(2)財産のこと(3)保険や年金のこと(4)治療や告知のこと(5)葬儀やお墓のこと(6)大切な人へのメッセージが代表的です。保険や葬儀など、事前に内容を確認しておくことで、見直しの必要性に気付くメリットもあります。
ノートは、何度でも書き直せるのが一番の利点。自分の考えも時間とともに変化します。半年や1年など期間を決めて、定期的に内容を見直すことが大切です。記入日も残しておくことで、見直しの目安になります。人生100年時代のいま、今日は残りの人生の最初の1日。悔いの無い日々を過ごしてください。
(エンディングノート認定講師 安喰ひとみさん)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU