『ARCUS』現在のアート・芸術文化を守谷から。

31／43

みなさん、こんにちは! 突然ですが、もりや学びの里にあるアーカスプロジェクトをご存知ですか? アーカスは今年で30年目を迎える、現代アートの分野では国内で最も歴史のあるアーティスト・イン・レジデンス事業を行っている団体です。アーティスト・イン・レジデンス(以下AIR)は聞き慣れない言葉かもしれません。AIRとは、アーティストをある場所に一定期間招き、創作活動に集中する時間と場所を提供する仕組みで、これまでに世界36カ国・地域から112組のアーティストを招きました。
アーティストが国境を越えて、創作活動を行うことにはどういう意味があるのでしょうか? それは普段と異なる文化や環境に身を置くことで、新たなアイディアが生まれたり、多角的な視点から作品と向き合う機会を作ります。同時に、その過程を市民の皆さんに見てもらったり、アーティストとの交流を通じて、日々の暮らしに彩りや気づきを与えるものになると考えます。そういった相互作用も、AIRの醍醐味といえるでしょう。
アーカスの公募によって選ばれたアーティストたちは、渡航費や滞在費、制作費の金銭的なサポートだけでなく、制作活動に必要なコーディネーションや通訳、日本での活動の足掛かりとなるネットワーク作りといったサポートが提供されます。世界中には星の数ほどたくさんのAIRがありますが、アーカスのようなフルサポートを30年間続けている団体はごく僅かです。それ故に国内外での知名度は高く、近年の公募の倍率は約250倍にもなります。その狭き門を通り抜けて選出されたアーティストたちは、守谷に約100日間滞在し、滞在終盤にオープンスタジオ(アーティストの制作場であるスタジオを公開すること)で成果発表を行います。
(次号に続く)

問合先：アーカススタジオ(もりや学びの里内)
【電話】46-2600(10：00～18：00)
【メール】arcus@arcus-project.com