◆第2章 家の中でも使えるナッジ
○自分や身近な人のやめられない行動を防ぐには?
健康のために身体を動かそうと思っているのに、「今日はいいや」と先延ばしにしてしまうこと、ありませんか。ナッジは、そんな「やりたいのにできない」「やめたいのにやめられない」行動を変えたいときにも使えます。
例えば、バランスボールを椅子の代わりにすることで、運動へのハードルを下げる⦅簡単にする⦆ことができます。また、スマートウォッチや歩数計などを使って運動量を見える化すると、「もっとがんばろう」と思えます⦅魅力的にする⦆。どんなナッジが効果的かは人それぞれ。次に紹介するナッジ活用のヒントを参考に、自分や身近な人に合うナッジを考えてみてはいかがでしょうか。
○ナッジを考えるときの4つのヒント(※)
簡単にする…簡単にする、手間を省くなど、行動のハードルをなるべく下げます。
魅力的にする…楽しそうと思わせる、お得にするといった工夫で、つい行動したくなります。
皆がやっている…社会規範となっていたり、皆がやっていることには同調したくなります。
タイムリー…時期を適切にすること。適切なタイミングの告知や声掛けが効果的です。
※ナッジ活用フレームワークEAST(Easy、Attractive、Social、Timely)―英国ナッジユニット(BIT)
◆どう使う?あなたのナッジを教えてください
今年5月に市内で行われた「ナッジを学ぶ会」の参加者に、身の回りで取り入れているナッジを聞きました!お悩み解決にぜひお役立てください。
◇自分に仕掛ける「セルフナッジ」にハマり中!
「無理強いせずに導く」というナッジの考え方がいいなと思いました。説明を聞くと、今まで子育てに試行錯誤する中で自然にナッジを使っていたとわかりました。例えば、ヘアゴムなど散らかりやすい物の定位置を作り家族が片付けしやすくしたり、玄関に靴シートをつけたり。効果が一時的な場合もありますが、相手の気持ちになってあれこれ試すことが大事だと思いました。
○ナッジは思いやりや優しさがあって素敵!
佐々木泉(ささきいずみ)さん
後回しにしがちな水槽掃除の所要時間を目につくところに貼ってスキマ時間に取り掛かれるようにしたり、きれいな部屋に合う美しい音楽をかけて掃除のやる気をアップさせています。
◇出欠確認をやめたら、参加者が増えてびっくり!
子ども会行事の出欠確認は、運営側と参加者どちらにとっても負担でした。
今年から出欠確認をなくし、皆が楽しめる行事の準備に注力することになったのですが、気軽に参加しやすくなったのか逆に参加者が増えました。
○相手の身になって考えお互いにとって良い方向に
海老原徹(えびはらとおる)さん
ナッジの核は「相手への思いやり」だと感じました。もっと世の中に浸透したら、皆にとって優しい社会になる気がします。
ナッジの考え方を知ったことで、これまで以上に「相手と自分、お互いにとってより良い方向にするためには」と考えるようになり、仕事や家庭、地域活動などのいろんな場面で活きています。
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