夕日が美しい小浜温泉街
水がこんこんと湧く刈水地区に
小浜暮らしを体験できるゲストハウスができました
■今月のつたえるひと
諸山岳志(もろやまたけし)さん・朗(あき)さん
神奈川県出身、多摩美術大学環境デザイン学科卒業。朗さんは2018年に雲仙市小浜町に移住。岳志さんは2019年に移住し3年間雲仙市地域おこし協力隊を務める。移住後に結婚し、2023年4月にゲストハウス「諸山宿舎」をオープン。
■小浜(おばま)は暮らしてみてさらに良さがわかるまち
6年ほど前、島原市出身の私(朗)の父がUターンしたことがきっかけで、雲仙市小浜町のデザイナーで古民家を活用したショップandカフェ「刈水庵(かりみずあん)」を運営していた故城谷耕生さんとお会いし、意気投合。小浜に通ううちに小浜の人の人柄や暮らしぶりも好きになり、城谷さんのアシスタント兼刈水庵の店長として小浜に移住しました。大学の同級生で当時交際していた夫(岳志)も、小浜に何度も遊びに来ているうちに居心地が良くなり、翌年、雲仙市地域おこし協力隊として移住しました。
小浜の魅力は、豊かな自然や温泉はもちろんですが、一番は人の温かさ。近所の人が魚や野菜を分けてくれたり、結婚して子どもが生まれた時もすごく喜んでくれて、地域全体で温かく見守ってもらっているような感じです。移住した当初は、何か成果を残さないといけないんじゃないかとプレッシャーを感じていましたが、地域の方から「頑張らなくていいよ、楽しく暮らしてくれれば、それが小浜への貢献になる」と言葉をかけていただき、気持ちが軽くなりました。
2021年に刈水庵近くの古い空き家を購入し、夫が一年がかりで改修してゲストハウスをオープンしました。宿には、自炊できるようキッチンを備えているほか、お風呂は近くの立ち寄り湯を利用してもらうなど、暮らすように泊まって、ゆっくり流れる小浜時間を体験してもらう連泊にもおすすめな宿になっています。昨年は地域おこし協力隊のインターン制度で長野のイラストレーターの方が1カ月滞在し、温泉蒸し器での料理体験など、小浜の暮らしぶりを楽しく描いたガイドブックを成果品として作ってくれました。今後も小浜への移住を検討されている方に利用していただき、小浜の良さを感じてもらいたいです。
▽炭酸泉
100度を超える高温泉で知られる小浜温泉の中で、泉温25度から27度程度の唯一の冷泉。温泉街の路地裏にある広場にボコボコと音を立てながら自然湧出しており、周囲にはほんのり硫黄の香りが漂っています。
▽上の川湧水
幾つもの湧水が点在する小浜地区の中でも、江戸時代のキリシタン悲話に登場するほど古い歴史があり、地元の熱心な清掃美化活動に守られています。現在も水をくみに来る人たちも多く、観光名所の一つとなっています。
▽小浜温泉観光案内所
小浜温泉街の海岸沿いにある古い洋館。中には宿泊施設のパンフレットや温泉街のマップなどが置かれています。道路脇の歩道には世界三大花木の1つジャカランダが植えられ、6月に見頃を迎えます。
▽小浜温泉足湯 ほっとふっと105
小浜温泉の足湯で、全長は小浜温泉の源泉温度105度にちなんだ105mの日本一長い足湯です。腰掛け足湯のほかウォーキング足湯、ペット足湯もあります。
▽金浜眼鏡橋
1846年、金浜川に架橋され、1993年に大きく修復されたアーチ型の石橋で、地元では「眼鏡橋」と呼ばれています。河岸には遊歩道が整備され、川遊びもできます。
▽小浜歴史資料館(本多湯太夫(ほんだゆだゆう)邸跡)
江戸時代島原藩から湯太夫の称号を与えられた本多家代々の邸宅跡と温泉の源泉、小浜の歴史資料展示館があります。重厚な長屋門は1871年に島原城から移築されたものです。
■天然の温泉の恵みに感謝する 小浜温泉湯祭り
毎年4月の第一日曜に開催される、小浜温泉街の年中行事の一つ。天然の温泉の恵みに感謝して神事を行い、出し物のほか、温泉街ではパレードが行われます。
日時:4月7日(日)
パレード 10時半~12時
ステージ 12時~15時
場所:小浜温泉街および小浜マリンパーク(雲仙市小浜町)
問合せ:小浜温泉旅館組合
【電話】0957-74-3581
■レンタサイクルで小浜を散策しよう OBAMA旅チャリ
旧小浜鉄道として利用されていた海沿いの風光明媚な道路を、快適な電動アシスト自転車で散策しませんか?旧小浜鉄道の途中には、木々で覆われた「緑のトンネル」もあります。
問合せ:(一社)雲仙観光局
【電話】0957-74-2672
■雲仙市のお土産
▽藍のお茶andハーブティー
刈水地区のアイアカネ工房で育てた藍を小浜の透き通った水で洗い、乾燥、袋詰めまでを一つ一つ手作業で行っています。ほのかな甘みを含んだまろやかな味です。
問合せ:アイアカネ工房
【電話】0957-60-4234
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