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つなごう未来へ!島原半島ユネスコ世界ジオパーク

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長崎県南島原市

■北有馬の石橋群
九州は全国的に見ても石橋が多い地域で、特に美しい弧を描くアーチ式の石橋はその9割が九州に存在するとも言われています。島原半島の中でも、南島原市北有馬町は美しい石橋が複数見られる地域です。北有馬町内には少なくとも10の石橋があり、有馬川の支流に架かる荒田下橋(あれたしもばし)、田中橋(たなかばし)、元平橋(もとひらばし)、坂下橋(さかしたばし)、面無橋(おもなしばし)の5つの石橋群は、地方の近代化を象徴する価値を持つとされ、平成31年2月14日に「有馬の石橋群5橋」として、長崎県の有形文化財に指定されました。
これら5つの橋のうち、江戸時代後期に架けられたとされる面無橋には安山岩が、明治から大正時代に架けられた残りの4橋には玄武岩が用いられています。つまり、石橋をつくるのに適した石材としての溶岩が容易に手に入ったことが、この地域に石橋が発達した理由の一つです。しかし、この地域に石橋があるのは別の理由もあります。それは、橋を架けなければ渡ることができない川の存在です。
北有馬町付近には、約50万~30万年前にもたらされた雲仙火山の噴出物や、海などにたまってできた古い時代の地層が分布しています。これらの地層は、島原市有明町から南島原市深江町に分布する15万年前の地層に比べて水を通しにくいため、降った雨の多くは地面に染み込まずに地表を流れます。地表を流れる水はやがて集まり、川となって大地を削ります。北有馬町付近は長年にわたって大地が削られ続けたため、谷が発達しました。そこで人々は道を確保するために、洪水が起きれば流されてしまう木の橋ではなく、あえて手間のかかる石橋を架け、互いの交流を維持したのでしょう。
地域をつなぐ架け橋として、今も島原半島をつくった溶岩は地域の交流を支えています。

問合せ:島原半島ジオパーク協議会
【電話】0957-65-5540【E-mail】info@unzen-geopark.jp

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