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自治体の皆さまへ

スポーツの持つ一体感が、対馬を盛り上げるきっかけに!

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長崎県対馬市

■林田章紀さんにお話を伺いました
◇競技者からコーチへ。陸上競技に感じた課題
小学校から陸上競技に関わり、大学進学後は十種競技(走る・飛ぶ・投げるなど十種類の陸上種目の成績を得点化して合計得点で競う競技)を行ってきました。競技者として第一線を離れた後は、コーチとして日本代表や大学、社会人チームで指導をして、選手を送り出してきました。そのような中で感じていたのが、陸上競技があまり人気がないということでした。
陸上競技は、オリンピックやマラソン、駅伝など、注目を集める大会や種目もありますが、そのほかは注目度が低く、大会の観客席は空席が目立ちます。コーチ業とともに、私のライフワークとして、どうしたら陸上競技が盛り上がるのかを考えてきました。

◇みんなで盛り上がる大切さ
ワールドカップなどでは、国中が盛り上がり、大会後も選手として、観客として、競技を支える側として関わる人がたくさん生まれています。その結果、その競技自体も盛り上がり、色々な良い効果が生まれています。陸上競技には、その視点が足りなかったんだと考えています。競技に参加する人だけが盛り上がっても次につながらないと。日ごろから、選手・観客・競技を支える人みんなが陸上競技を盛り上げる雰囲気づくりを行って、陸上競技が行われている競技場を満員の観客で埋め尽くしたいという夢を持っています。その実践の場として、対馬はとても魅力的な場所だと思っています。

◇地域の元気につなげたい
私が、陸上競技を通して目指していることは、地域を元気にすることにもつながってくると考えています。対馬を元気にするためには、みんなで盛り上がることができる一体感が必要です。そのためにはまず「応援する文化」を作りたいと思っています。競技者として走っていて「もう限界だ、やめたい」と思う時、周囲の応援はとても力になります。その時、応援する人は、自分も走っている人に寄り添い、同じような気持ちになって応援することが大切です。陸上競技を通じて、そんな応援ができる人たちを島中に作っていきたいと考えています。そして、人々が互いに応援できる文化を作り上げることで、地域が元気になれると思っています。
対馬の子どもたちの素質は素晴らしく、これから指導することで大きく伸びる可能性を秘めています。目標としては対馬で学ぶ高校生が「都大路」を走ることです。それと合わせて、陸上に関わりのある高校生を100人は作りたいと思います。高校生だけでなく、対馬の人たちにたくさん関わっていただき、島全体を覆うような熱気を育てていきたいです。

林田 章紀(はやしだ あきのり)
諫早市出身
元陸上十種競技選手
2010年 順天堂大学スポーツ健康科学部 卒業
2012年 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 修了
2013年 順天堂大学陸上競技部コーチ
2016年 リオ五輪 400Mハードルパーソナルコーチ
2017年 プロ陸上競技コーチとして活動開始
2020年 コーチングの会社を設立、代表に就任
2023年 対馬市に移住
これまでに多数の陸上選手を育成、陸上競技のみならずスポーツや会社で指導やサポートを行っている。
※活動はこちら(本紙PDF版6ページ参照)から

林田さんは現在、対馬で暮らしながら、対馬高校陸上部や小中学校への出前授業などで子どもたちへの指導を行っています。指導では、競技力の向上はもちろん、競技者としてだけでないスポーツの楽しみ方を伝えています。

原田 隼杜 主将(対馬高校陸上部)
林田さんには、技術的な指導だけでなく、これまでできなかった、チームの良い雰囲気づくりまで指導いただいています。練習の質を高めるために雰囲気づくりを行うことは、経験がなければ気付くこともありません。結果を残すことでその指導にお応えしたいと思っています。

対馬市では、高校に進学する中学生のうち、約3割の生徒が、市外の高校に進学しています。特にスポーツで好成績を残している生徒が、より良い環境を求めて市外の強豪校へ進学している状況です。そこで市では、学校の魅力を高めようと、今年度からプロスポーツクラブや民間企業などとの連携によるプロジェクトを立ち上げ、外部指導者による指導や遠征費の助成などを行っています。また、社会体育の活性化を図り、対馬で暮らし続けることができるようサポートをしていきます。

◆スポーツをきっかけに、地域の人たちが互いの活動を応援しあうことができれば、対馬はもっと輝く島になります。
皆さんのご支援をよろしくお願いします。

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