みんなの力で災害を乗り越えるために必要な力とは?

6／30

■地域で防災力を高める
防災は、自分たちを守るために自ら動く「自助」、国や県、市などの行政や消防団などの公的機関が対応する「公助」、そして、地域の人たちが互いに協力して乗り越える「共助」の3つの力が合わさって成り立ちます。そのどれか一つでも欠けると、地域の防災力は弱くなり、不運にも災害に遭遇することにつながってしまいます。

■共助の一つ「自主防災組織」
災害発生時はもちろん、日頃から地域の皆さんが一緒になって防災活動に取り組むための組織が自主防災組織です。
平常時には防災訓練や広報活動、災害時には初期消火、救出救護、集団避難、避難所への給食・給水などの活動を行います。
自主防災組織は、災害が起きてから活動を始めるのではなく、災害が起きる前から活動することができ、災害に備える活動ができます。また、災害発生直後の公助の手が届かないときに、住民同士で協力して活動することで、より災害から身を守ることができます。

■もしもに備えて学び、行動する「防災士」
もしも、あなたが災害に巻き込まれたら、自分の命を守る行動ができるでしょうか?家族や地域の人が、目の前で助けを求めた時、行動することができるでしょうか?防災の基本である、自助・共助・公助を実践するためには、私たち一人一人が平常時から、災害に対する意識と、もしもに備える知識と技術を持つことが期待されています。
平成7年に発生した阪神・淡路大震災の教訓をもとに、平成14年に誕生した防災士は、市民を対象とした民間の認証制度です。その防災士の資格取得に向けて、県では防災推進員(自主防災リーダー)の養成講座を実施しています。この講座は、災害のメカニズムや避難所の運営など、災害に関する知識と技能を学び、社会全体の防災力を高めようという狙いがあり、対馬市では昨年11月、4年ぶりに行われました。受講者は防災士資格取得試験を受験することができ、25人の方々が試験に合格し防災士の資格を取得しています。

■防災の基本

「助かろう」
普段から災害に備え、早めに避難して、まず自分が無事に助かろう!

「助けよう」
防災の知識と技術を身につけて周りの人を助けよう!

「助け合おう」
お年寄り、障がいのある方、小さな子どもなどに気を配り、みんなで助け合おう!

■自主防災組織をつくりませんか?
～活動の範囲～
地区単位または小学校区など複数の地区を合わせた範囲となります。

～組織構成～
地区の役員が、そのまま組織の役員を兼ねる方式や地区役員とは別に、活動する地区の中で新たな役員で組織する方式などがあります。

～自主防災組織の活動内容～
・平常時…防災知識の普及、防災訓練、必要な資機材などの備蓄など
・災害時…災害情報の収集・伝達、避難誘導、給食・給水活動など

日本全体で256,965人の防災士が認証。対馬でも100人を超す防災士が誕生しています(令和5年4月時点)

■私も防災士です!
防災士　日高　美也子さん
▽受講したきっかけは?
特にはっきりとしたきっかけはないのですが、私が、兵庫生まれというところはあるかもしれません。阪神・淡路大震災が発生する数年前に対馬にやってきた私にとって、震災のことが心の中にずっと残っていました。そんな時に、防災士の存在と同時に、対馬で講習会が開かれると知り、自然と講習を受けてみようと思いました。

▽講座はどうでしたか?
地震や台風、火山など、気象に関するメカニズムなど、日常の生活の中で何となくわかっていたことを、テキストや講義を通して学ぶことで理解が深まりました。防災に関する事柄はとても幅広く、これまであまり興味のないことも多かったので、理解するまで苦労することもありました。全国で様々な災害が起こっている今、このような形で防災に関する情報を知ることができたことはとても良かったと思います。

▽防災士として
防災士の資格を持つことが目的ではありません。ここで得た知識を、多くの人に知ってもらうこと、もしもの際に発揮できることが大切だと思います。天災を止めることはできないけれど、知識を持ち行動することで、被害を防ぐことはできます。地域の人たちと防災力を高めあいながら、いざという時に助け合えるよう、これからも知識や技術の向上に努めてきたいと思っています。

■地震や大雨、台風などの自然現象に私たちが遭遇することで「災害」は発生します。私たちにとって大切なことは、正確な情報を手に入れて行動をおこし、その危険から逃れることです。そして、不運にも災害に遭遇してしまったときに、対処できる方法や、人々がつながり協力できる仕組みを作ることです。災害が起こりやすい季節が来る前に、今一度みんなで考えてみましょう。

■自主防災組織の結成や活動などには補助制度があります。詳しくは、地域安全防災室【電話】0920-53-6111まで