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わがまち再発見 対馬発掘調査日誌 ~郷土の歴史に思いをはせて~ 第14回

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長崎県対馬市

黒曜石の交流拠点?
「鬼ヶ崎(おにがざき)遺跡」

鬼ヶ崎遺跡(上対馬町鰐浦)は、朝鮮半島を望む北東に突き出た鬼ヶ崎と呼ばれる岬の先端に所在する遺跡です。平成30年の遺跡分布調査の際、黒曜石製の石鏃(せきぞく)や鋸歯状刃器(きょしじょうじんき)(ノコギリ)、石器の製作過程で出た欠片が大量に見つかりました。黒曜石は、成分分析の結果、九州から持ち込まれたものが大部分を占めていることが明らかになりました。
朝鮮半島南海岸の新石器時代(※)の遺跡からも九州産黒曜石が多く出土していることから、縄文時代に黒曜石を介した交流が行われていたとされています。
遺跡から土器が見つかっていないことや、人々が生活を営んでいた痕跡もないことから、どのような生活の場所かは依然として不明のままです。ただ、黒曜石の物量が市内の他の遺跡と比べて圧倒的に多いことから、交易の重要な拠点であったと考えられます。
令和5年3月下旬から4月上旬にかけて有識者が現地確認調査を実施した際にも、7点の黒曜石製石器を確認しました。今後新たな調査が行われていけば、遺跡の詳細が解明されるかもしれません。
※「新石器時代」…日本の縄文時代に相当

●次回は、弥生時代終末の対馬の中心地「ハロウ遺跡」を紹介します。

問合せ:文化財課
【電話】0920-54-2341

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