■屋内で飼育している方にお話を聞いてみました
ネコとイヌを飼っています。出会って9年ほどになるネコのミューは、当時ケガをしていて、家に来ていたことをきっかけにそのまま飼い始めました。イヌのルコは、トラばさみに足を挟まれ逃げ回っていた状態で保護し、脚を切断する手術を経て8年になります。
動物を飼っていると、長い間留守ができなかったり、お金も、エサ代だったり、病気になれば治療費がかかるなど、大変なことはいろいろとあります。しかし、想像しない動きをして驚いたり、甘えてくる姿に癒されたりしてとても楽しく過ごしています。
ミューは飼い始めた時からずっと室内ですが、外に出さないことが問題になることは全くありません。自分のお気に入りの場所を探し出し、安全な家の中で過ごしています。室内でも、キャットタワーやケージを工夫して高さを上手く使うなど、十分居場所を作ることはできます。言葉を発さない動物のキモチに寄り添うため、動物を飼う時には、習性を理解し、動物について学びながら実践する必要があります。
ネコを始め動物を飼う人は、人間がお世話をしなければ、生きていけない存在だということを第一に考えて動物たちと接することが大事だと思います。
■人間の無自覚と思い込みが、動物たちを苦しめてしまいます
「ネコは外で自由に動き回ることが幸せ」「エサをあげないとかわいそう」。島の中で見かけるネコたちや、飼いネコとして家族の一員となったネコに対し、そのような感情を持つことはありませんか?ネコにとって外の世界は、とても厳しい世界で、常に死のリスクにさらされています。例えば、港にネコがいて、漁師さんから魚をもらったりする風景は、さも当たり前でノスタルジックな風景ですが、もしもその魚が釣り針を飲み込んでいたら、その魚を食べたネコは、大変なことになるかもしれません。お腹を空かせてかわいそうだと、外で暮らすネコたちにご飯を食べさせたら、食べ過ぎて体調を崩すかもしれません。人間からエサをもらえると思い、民家に侵入し赤ちゃんを傷つけるかもしれません。飼いネコであっても、外の世界が気持ちいいからと、飼っているネコを外に出せば、縄張り争いに巻き込まれたり、交通事故に遭ってしまうかもしれません。無自覚な人間の行動が、ネコの命を縮めてしまったり、本来人間に愛される存在のネコが憎悪の対象になったりと、結果的にネコを追い詰めてしまうことにつながってしまうのです。それこそかわいそうなことです。
私たちがネコにできることがあるとすれば、中途半端に関わることをやめることです。飼えないのであれば、静かに見守るべきですし、ネコを飼うのであれば、最期の瞬間まで寄り添う覚悟を持つことです。それが、ネコたちにとっての幸せにつながるのではないでしょうか。
対馬市では、ネコ適正飼養条例などを通じ、ネコと市民が安心して暮らせる街を目指して、これからも取り組みを続けていきます。市民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。
問い合わせ:自然共生課
【電話】0920-53-6111
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