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健康一口メモ 441号

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長崎県波佐見町

◆手足のしびれ
カナザワ内科クリニック 金澤 一

日常診療を行っていると患者さんから手足のしびれの相談をよく受けます。しびれの原因は様々ですが、どの部位が、いつから、どのような時に、一日中続くか等を教えていただければ大体の目安がつきます。
手のしびれを例にとると、手は3本の末梢神経に支配されています。手のひらと親指は正中神経、手の甲は橈骨神経、小指は尺骨神経に支配されています。よく診る事が多いのは正中神経の障害で起こる手根管症候群です。手首で正中神経が圧迫され、手のひら、親指から中指にかけてのしびれが出ます。手を繰り返し使う人に多くみられます。進行すると筋肉の萎縮が起こり、握力が低下や、つまみ動作の困難を生じます。結果的に手の機能低下をきたす事になりますので手術が必要な場合があります。手首を掌側に強く曲げると痺れが強くなり、手首を振ると症状が軽減したり等の特徴的な症状もありますので症状を伝えてもらうと診断の手助けになります。
薬指や小指がしびれるのは尺骨神経障害です。正中神経障害と同様に進行すると手術加療を要する事があります。橈骨神経は腕に頭をのせて寝た後に神経麻痺を起こすことがあります。手首や手指が伸びなくなったと言われて受診される事が多いのですがこれは手首の固定や、ビタミン剤を投与する事でなる事が多いです。
脚のしびれで多いのは、坐骨神経痛です。腰椎の加齢に伴う変形等で脊髄神経が障害を受けて痛みと痺れを生じます。朝より夕に症状が強くなったり、長距離歩行や立位保持が困難になってきたりするのが特徴的です。投薬等が効果ありますが、効果が乏しい場合は手術加療が必要な場合もあります。
最も注意してほしいしびれは、両手両足が指先から徐々に始まり、しびれの範囲が手袋、靴下状に広がる末梢神経障害です。原因は様々ですが、糖尿病で起こるのが有名です。癌でも先行して起こることがありますし、薬の副作用でも起こる事があります。両手、両足のしびれを感じられた際はぜひ、かかりつけ医に相談してください。

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