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健康一口メモ 444号

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長崎県波佐見町

◆高齢者の睡眠について
・小鳥居内科・脳神経内科クリニック 小鳥居 聡

中高年になると、「夜中に何度も目が覚める」、「朝早く目が覚める」といった方が増えます。もともと加齢と共に、必要な睡眠時間は少なくなっており、10歳までは9時間、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間といわれています。さらに高齢者は加齢とともに眠気に関わる体温の高低差や体内リズムの振幅が全体的に減少したり、メラトニンという睡眠ホルモンの減少によって眠りが浅くなったり、日中の活動量が減少する事で眠気に関わる「睡眠物質」が減少したりする事で熟眠感が得にくくなる等が重なり、若者と比べて眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。また、元々睡眠時間が短いため、早過ぎる時間に就寝すると必然的に起床時間が早くなってしまい、「早起き」になってしまいます。
睡眠を改善する方法としては、効果的な入浴や適度な運動を行う、長時間の昼寝を避ける、夜にカフェインを摂取しない事などが挙げられます。「睡眠薬代わりの寝酒」は睡眠の質をかえって悪化させます。飲酒する事でその場の寝つきは良くなっても、深い眠りにはつけなくなるからです。また、眠ろうとして意気込むとかえって眠れなくなるので、寝る前にぬるめのお湯で入浴したりして自然に眠気を誘うように整えたり、朝に目が覚めたらカーテンを開けて日光を入れたり、遅い時間に就寝して遅い時間に起床するのではなく、いつもと同じ時間に起床して規則正しい睡眠習慣を維持する事もいい方法です。ただ、睡眠時間が短くても日中に眠気を感じる事が無ければ十分な睡眠が取れていると考えてよいので睡眠時間を過剰に気にする必要はないと割り切ってもいいと思います。
どうしても寝つきがよくないなど睡眠に支障がある場合は睡眠薬を処方する場合もあります。よく外来で知り合いの人が処方された睡眠薬をもらって使っていると聞くことがありますが、各々の方で適正な薬剤が異なるため、そういった事は良くありません。
寝つきが悪いなど睡眠についてお困りの方はかかりつけ医に御相談下さい。

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