健康テラ ス

40／47

■「健康について考えてみましょう」
ホーム・ホスピス中尾クリニック
中尾勘一郎先生
みなさん、健康とは何でしょうか?病気がないことでしょうか?もちろん病気を持たないことは大事なことです。しかし、それだけではありません。
WHOの定義では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」となっています。病気のあるなしには、関わらないのですね。みなさん、満たされていますか?
次に、健康寿命と平均寿命という言葉はご存じでしょうか?
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことです。2019年の日本人の健康寿命は男性が72.7歳、女性が75.4歳、平均寿命は男性が81.4歳、女性が87.5歳となっています。健康寿命は、寝たきりや要介護とならずに自立して生活できる期間を示す指標となっています。健康寿命と平均寿命の差が要介護・寝たきりの時間です。男性約9年、女性約12年!!長いですね。
因みに、2023年日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団のアンケート調査では、”ぽっくり死“と”ゆっくり死“どちらが理想ですか?の問に70.6%”ぽっくり死“、29.4%”ゆっくり死“でした。理想と現実はこんなに違うのですね。
長与町も高齢化社会になってきました。高齢者の方は何かしらの病気(いくつか)をお持ちです。それでも、健康的に生活して、健康寿命を延ばして、平均寿命に近づけることが大切ですね。そのために、我々専門職も医療・介護・福祉・行政で連携し様々な活動をしておりますが、皆さんご本人の、これからの生活やケアを自分の意志で考え・決定していくことも大切です。
このこれからのことを考えていくことを、アドバンス・ライフ・プランニング(ALP)、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)といい、現在盛んに進められています。これに関しては、別の機会に説明したいと思います。