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想いを石に刻む~高遠石工の歩いた道~

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長野県伊那市

■Vol.30「市内の貞治仏探訪(6)」
本年の高遠城址公園の桜は3月25日に開花宣言が出され、4月9日に散り終わりとなりました。これに合わせ、建福寺石仏群のライトアップも4月1日・2日・8日・9日の4日間にわたって行われました。準備と片付けに携わられたボランティアの皆さんには感謝しております。
さて、今回は考えるしぐさが特徴的な如意輪観世音菩薩に注目してみたいと思います。如意輪観世音菩薩は如意宝珠(すべての願いが叶う宝の玉)の力によってあらゆる生き物の願いを叶えてくれる観音様です。一般の人々の間では、財産が増え知恵によって苦悩から救われるといった御利益があると信じられています。右手を頬に添えてやや右に首を傾け、右膝を立てるか、左足を蓮華座から下ろして考えるしぐさをしています。そのような姿勢になるため、立ち姿のものはありません。腕は6本あります。右側には頬に添えられている手があり、ほかに如意宝珠と数珠を持つ手があります。左側には蓮華座または膝に手のひらをつけている手があり、ほかに法輪とまだ開いていない蓮のつぼみを持つ手があります。
守屋貞治の如意輪観世音菩薩は頬に添えている手の形に特徴があります。手のひらを添えているものだけでなく、手の甲を添えているものもあるのです。実は、西国三十三所観世音菩薩に限っていうと、本場の御本尊の手の形に倣ったものになっています。観音様それぞれの顔は貞治が独自に個性を持たせていますが、本場の御本尊の特徴を示す部分はきちんと本場に倣うという生真面目な性格をうかがい知ることができます。スマートフォンで本場の観音様の画像を映しながら見比べてみるのもよいのではないでしょうか。

問合せ:高遠町歴史博物館

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