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《check!!防災特集》地域で動く!地域で守る! 地域タイムライン

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長野県伊那市

〜逃げ遅れゼロを目指して〜

自分で考え・判断する「自助」が防災の基本です。しかし、災害時は、一人では分からない・行動できないことが多いため、隣近所や地区の皆さんと一緒に行動する「共助」の取り組みが欠かせません。
「共助」を機能させるには、「ルールづくり」が必要です。今回は、市が進める地域防災の一つ「地域タイムライン」の取り組みを紹介します。

地域タイムラインとは…
災害時に発信される気象情報や避難情報をもとに、〝いつ〞〝誰が〞〝何をするか〞行動の「スタートライン」を決めておくことで、皆さんが自らの判断で避難行動・地区の活動ができるようにするものです。

■「地域タイムライン」ができるまで
▽第1回 地区の災害リスクや活動内容を確認
最初に行う一番大切な作業です。まず、地区の状況(一人暮らしの高齢者が多い、土砂災害の危険が多いなど)を把握します。そして、災害時に自分たちが何をするのか(避難場所の開設、要配慮者の支援など)を確認します。打ち合わせには、多くの住民や支援者に参加していただきます。

▽第2回 各種情報と地区の活動を合わせる
気象や河川などの各種情報の内容を確認します。第1回で確認した地区の活動に要する時間を話し合います。併せて、防災活動の体制も確認します。

▽第3回 いつ・何をするかなど具体的に表に書き込む
地区が余裕を持って活動できるよう、また要配慮者の支援ができるよう、活動開始のタイミングや具体的な作業を決めます。表に書き入れ、皆さんと意見交換しながら完成させます。

▽作成後 地区住民への広報・訓練を通じた見直し
作成することが第一歩ですが、完成した「地域タイムライン」を皆さんで共有しなければ生かされません。訓練や会合の場、回覧などにより内容を共有し、“自分たちのもの”にしていきます。

■「地域タイムライン」完成イメージ ※参考
○○区 地域タイムライン(雨の災害版)
目標:
・危険になる前に避難できるようにしよう!
・地域みんなで逃げ遅れゼロを達成しよう!

●「地域タイムライン」からわかること
▽(1)平時から災害時(災害対応)に切り替えるスイッチ(きっかけ)になる
上の表では、レベル2で災害対応の準備をはじめ、次の段階で実際に行動します。レベル3という情報が行動のスイッチになっています。迷うことなく、速やかな行動ができます。

▽(2)行動を意思決定するものである
レベルに応じて、“私の行動”“地域の行動”を決めておきます。自分の役割やすべきことが分かり、活動内容もはっきりします。

▽(3)支援が必要な人も支援する人も、役員も住民も、みんなの安全を確保するものである
レベル3では要配慮者など心配な人の支援や声かけをしますが、レベル4では危険な場所に住む全員が避難します。協力体制を確認するとともに、地区全体で安全確保する意識を高めます。

■取り組みの様子をインタビュー
現在、伊那市では、洪水や土砂災害の危険を抱える地区を中心に「地域タイムライン」の取り組みが進んでいます。
美篶地区では、全12地区で足並みを揃え、地区全体で作成に取り組んでいます。美篶地区内でも、区ごとにリスクが異なりますので、避難を積極的に行う区、支援の役割を担う区など、全体で取り組むことで、地区一体となった安全確保の体制が作れます。

▽令和4年度(昨年度)下県区長【美篶地区】
田中稔(たなかみのる)さん

下県区では1年かけて地域タイムラインの作成を進めてきました。作成に際しては、避難場所の収容人数や地域で起きた災害の歴史なども振り返りました。区は三峰川に近く、水害の恐れがあるため、「水害に侵される集落は何十戸あるのか」、「近くの身内の家に避難できるのは何戸あるのか」などを洗い出し、収容先を割り振りました。このように地域にあった防災計画を立てることが大切だと感じました。
地域タイムラインは本年度全戸に配布する予定です。区の防災マップと併せて活用することで、効果的で逃げ遅れのない避難活動ができると思います。

■家庭でも考えよう マイ・タイムライン=個人の行動計画
自分や家族の行動を決めておき、安全に行動できるようにしておくことが、円滑な地区の防災・支援活動につながりますので、地区で考えた「地域タイムライン」に個人・家族の行動(マイ・タイムライン)を一緒に記載しておきましょう。
「地域タイムライン」の取り組みに併せて個人・家族の行動を考えることで、隣近所や地区の皆さんの行動が確認できます。例えば、支援が必要な人は必要なタイミングで支援を得る(お互いに確認しておく)こともできます。
「自助」「共助」を意識した行動計画が、最終的には、地域全体の「逃げ遅れゼロ」につながります。詳しい記入方法は伊那市防災ハンドブックでも紹介しています。

問合せ:危機管理課 防災係

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