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伊那市50年の森林(もり)ビジョンの広がる取り組み(1)

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長野県伊那市

平成28年3月、山(森林)が富と雇用を支える50年後の伊那市を目指して、「伊那市50年の森林ビジョン」を策定しました。それから7年が経ち、ビジョンの中核となる「森林資源」「自然環境資源」「人材資源」を育て、活かし、利用する循環を作り出すための取り組みが広がっています。

■その1 伊那市の林業を盛り上げるため
▽社会問題にも取り組む伊那市の林業
林業は地球温暖化防止にも役立っています。適切な森林の手入れ(森林整備)が進むと樹木が吸収する二酸化炭素量が増加します。市では新宿区の予算や伸和コントロールズ株式会社からの寄付金で、市有林を整備し、それによる二酸化炭素の吸収量を長野県の制度で認証するといったカーボンオフセット事業に取り組んでいます。
そのほかにも初期成長の良いエリートツリーの植栽試験の実施や油圧架線集材機の研修会に協力するなど林業が抱えるさまざまな課題解決に取り組んでいます。

▽5年間にわたるモデル事業
林野庁の補助事業である「林業成長産業化地域創出モデル事業」を平成30年度から5年間にわたって実施してきました。手入れが進んでいない森林を集約し森林管理につなげるための森林経営管理制度導入に向けた取り組みや、林業・木材関連事業者の皆さんが互いに交流を図るマッチングイベントの開催など、幅広い事業に取り組んできました。

■その2 森の価値にふれよう
▽伊那市ミドリナ委員会
50年の森林ビジョンに賛同した市民グループによって発足し、暮らしと森林が寄り添い、繋がる社会を目指し日々活動しています。これまでに「森JOY」や「森のマルシェ」など、さまざまなアプローチで森林に触れ合えるイベントの開催や、市民目線でのビジョン実現、プランの発信など、数多くの事業を実施しています。

▽Ina Valley Forest College(通称:フォレストカレッジ)
Ina Valley Forest Collegeは業界を超えて森の価値を再発見することを目指す森の学び舎です。テーマは「森に関わる100の仕事をつくる」。合宿とオンラインを組み合わせ、森についてさまざまな角度から語り合い、3年間で900人以上の関係人口を創出してきました。フォレストカレッジを契機として移住者も増えるなど、伊那市の森林・林業の輪が全国に広がりつつあります。

■その3 進むフィンランドとの海外連携
▽フィンランド北カルヤラ県との連携
世界で一番幸せな国といわれ、林業が国内産業の重要な役割を担っているフィンランド。その先進地域である北カルヤラ県と、令和元年度から覚書を締結し、林業・木材産業・再生可能エネルギーなどの分野に関して連携を進めています。令和4年度には相互訪問が実現し、それぞれの先進的な取り組みや企業の視察を実施しました。今後も交流を図り、国境を越えた知恵と知識で伊那市の林業を盛り上げていきます。
50年の森林ビジョンでこれまで取り組んだ内容は市公式ホームページにも掲載しています。ぜひご覧ください。

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