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[特集]地産地消ってどんなこと??(4) 友だちにワインを味わってもらうために

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長野県塩尻市

[#対談 #ワインジェラート作り]
塩尻志学館高校は長野県で唯一、授業の一環でワイン用のブドウを生産しワイン醸造を行っています。ワイン醸造に携わる生徒2人と地産地消を考える地元企業の取り組みをご紹介します。
◎Re:gelato 社長 芝田 潔さん
◎塩尻志学館高校 中川 響さん 中野 琴美さん

■高校生の挑戦
塩尻志学館高校では、学校の敷地内2カ所にワイン用ブドウの畑があります。そのブドウ畑で生徒たちは一からブドウを育てて収穫し、ワイン醸造まで行っています。
農業科学系列で学ぶ、中川響さんと中野琴美さんは、自分たちが醸造したワインを使って、お酒が飲めない人や高校生にもワインを楽しんでもらいたいと、ジェラートのトッピングとして赤ワインのアルコール分を飛ばしたソルトとソースの開発に取り組みました。県内産の食材を使ってジェラートを作るリジェラートと、専門学校の未来ビジネスカレッジの協力を得ながら商品化に成功しました。
今回は、高校生とリジェラートの芝田さんに開発当時を振り返ってもらうとともに、塩尻産の食材を生かして商品化した皆さんが考える地産地消について語っていただきました。

■高校生自身が企画し、商品化を目指す
中野さん:私たちは2年次から、ブドウ栽培からワイン醸造までを行っています。ある日、先生とワインをアレンジした商品の開発について話したことがきっかけでこの企画が始まりました。
中川さん:ジェラートもトッピングも自分たちでレシピを調べて作ってみたのですが、肝心のジェラート作りがなかなかうまくいきませんでした。
中野さん:自分たちで作ってみてから、うまくできない原因や味の違いを知りたいと思い、そこでリジェラートさんに協力をいただきました。
芝田さん:そうでしたね。高校生の取り組みや思いを聞いた時に、私の「地域貢献をしたい」という思いとマッチしました。高校生は戸惑いがある中でも、何かを得るだろうなと思ったのでタッグを組むことになりました。ブドウの栽培から商品を売るまでの経験や知識が、2人の人生でも生かせることが容易に想像できましたね。
中川さん:ありがとうございます。協力してもらえたおかげで、自分たちではできなかったことや問題点を改善できました。
中野さん:ソースにとろみが付かないことも課題でしたが、未来ビジネスカレッジの古川先生に教わって改善し、商品化できました。

■実際に文化祭で販売し、お客さんの反応を知る
中野さん:文化祭でワインジェラートを食べたお客さんが、おいしいと言ってくれたことがうれしかったです。
中川さん:子どもや同級生、お年寄りなど幅広い年代の人が来てくれて、珍しがったり、味の感想を言ってくれたりしたことが達成感につながりました。
芝田さん:自分が作ったものを他の人が喜んでくれたことが、達成感や喜びとして自分の経験にも残りますよね。
中野さん:商品を買ってくれた人に香りや後味、口溶けなど7項目をアンケートしました。この結果をまとめて今後の研究に生かしたいです。

■作り手が考える地産地消
芝田さん:私は、農家さんとつながることを地産地消の中に含めて考えています。農家さんが丹精込めて育てた作物の中には、傷が付いたり、サイズが小さかったりなどの理由で、出荷できない物があります。そのような作物を農家さんから直接仕入れることで、農家さんは少しでも利益になり、私たちも仕入れのコストが下がります。このことに共感を得られた農家さんと協力しています。生産者の顔が見えることこそが、地産地消の意義だと思います。
中川さん:私もそう思います。地産地消は、消費者は生産者の顔が見えますし、生産者は消費者の顔が見えます。お互いの顔が見えることで、お互いが安心できると感じています。
中野さん:私たちは今回の取り組みで、自分たちが作ったものを自分たちで売りました。食べた人の笑顔が見られることは、作った私たちとしてもうれしいですね。

◎芝田 潔さん
◇Profile
地産地消・フードロス・食育を考え、地元の旬の果物や野菜などの素材を楽しんでもらうために、ジェラートにして届けている。地域や人に溶け込めるように、地元の食材を起用し新メニューの開発も手掛ける。

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