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ー特集ー らしく学び、らしく生きる~一人ひとりの育ちに寄り添う~(2)

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長野県塩尻市

■一人も置き去りにしない魅力ある学校づくり
市内の学校では、子ども同士の温かな関係づくりや教師と子どもの信頼関係づくり、学校と地域が連携して子どもを支える仕組みづくりを行っています。その中から今回は、丘中学校の取り組みをご紹介します。

◆~居場所・生きがい・存在感~一人も置き去りにしないために
丘中学校 黒沢幸喜校長

○一人ひとりに寄り添った教育を目指す
黒沢校長の「生徒が学び合う場面(交流)を日常化したい」という思いから、丘中学校では、魅力ある学校づくりの取り組みが始まりました。これまでの集団に対する画一的な指導を見直し、学校教育の仕組みを授業づくり・集団づくり・学校づくりに分け、取り組んでいます。これを基に、一人ひとりに寄り添った指導を目指しています。

○生徒同士で交流が生まれる
授業づくりでは、各授業でグループ学習を積極的に導入しています。先生が黒板の前で授業するだけではなく、生徒同士が机を付けて一緒に学ぶ時間を設けています。そうすると、自然に生徒同士の交流が生まれ、「考えても分からない時は、他の生徒がどのように解くかノートを見せ合い、その後解答を確認します。学び合うことで、学級全体の理解度が上がり、個人の学びも確立されます」と黒沢校長は話します。
また、グループ活動を進めるには集団づくりも大切と考え、他者の思いをおもんばかる想像力の育成を目指し、ソーシャルスキル・トレーニングを取り入れています。黒沢校長は「グループで本音を語り合い、それを互いに認め合うことで、自己肯定感や有用感が高まります」と話します。

○魅力ある学校づくりを継続する
学校づくりでは、個の学びの場を確保するために、校内中間教室を二つに分けて運営するなどの取り組みを行っています。最後に黒沢校長は、「『一人も置き去りにしない』という切り口をつくったことで、新たな発見やつながりが見えました。今後も意識していきたいです」と笑顔で話します。
丘中学校はこれからも、魅力ある学校づくりを目指して挑戦していきます。

■学校づくりの例(校内中間教室)
すみれルーム:創作活動などを通して交流をします。
丘ホット:主に学習をしたい子どもが通っています。

■ありのままの姿を認め、子どもの自己肯定感を高める
子ども一人ひとりに合った学びの機会を確保をするとともに、子どもや保護者が安心して相談できる場所が求められています。今回は、高ボッチ教室の小松亨先生にインタビューしました。

◆高ボッチ教室(中学生) 小松亨先生
平成28年に教育機会確保法が施行され、不登校への理解は大きく進みました。安心して過ごせる居場所で個人の得意を伸ばして、子どもたちのありのままの姿を認めることで、自己肯定感が高まり、社会的自立につながっていくと感じています。
高ボッチ教室では、子どもたちと「他の子が嫌がることはしない」ことだけを約束して、子どもの意思を尊重して活動をしています。ここで生活する子どもは、1日を通して来る子もいれば1時間で帰る子もいます。また、勉強以外にも創作活動をするなどさまざまな形で学んでいます。子どもたちがものや人に触れて考えたり感じたりすることすべてを「学び」だと捉え、一緒に過ごしています。
また、ここでは保護者の相談も随時受け付けています。子どもに合った居場所を一緒に考え、紹介もしています。抱え込まず、ぜひ相談に来てください。

◆高ボッチ教室
学校に行くことができない状態が続いている児童生徒のために、本市が設けた中間教室です。温かな雰囲気の中で安心して過ごしながら、学習や諸活動を通して生きる力を育む場所です。

○小学生教室
場所:塩尻総合文化センター1階

問合せ:【電話】0263-52-0280【電話】内線3415

○中学生教室
場所:塩尻西小学校敷地内

問合せ:【電話】0263-52-8974

■きめ細かな支援
◆子と親の心の支援員 清沢めぐみさん
チーム支援で子どもと保護者をサポートする
子と親の心の支援員は、子どもや保護者から相談を受けて面談し、関係機関と連携しながら、子どもの将来の自立に向けた支援をしています。
具体的には、月1回学校で行う相談支援や、必要に応じて、子どもと一緒に登校する登校支援や医療受診の同行をしています。また、相談者から受けた相談内容から、どのようなサポートが必要かを学校や外部機関と関係者会議を行うなど、チームで支援を行っています。
相談を受けて終わりにするのではなく、現時点でどのような支援が必要かを見極め、切れ目のない支援をすることが大切だと思います。支援をする上では、相談者の話に寄り添い、不安を和らげるようにすることを心掛けています。
相談者に信頼してもらえるような関係づくりをしながら、今後も丁寧な支援をしていきたいです。

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