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地元で愛される地芝居 憧れの伝統舞台へ

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長野県東御市

4年ぶりに開催された、祢津東町歌舞伎公演。
文化14(1817)年に建設された県宝「祢津東町歌舞伎舞台」で行われました。
その伝統の舞台に憧れる、祢津小学校子ども歌舞伎クラブを取材しました。

◆演目「義経千本桜」とは
平家滅亡後の源義経(みなもとのよしつね)を軸として、生き残った平家の人々の動向を描いており、この日演じた第一幕「渡海屋(とかいや)」、第二幕「大物浦(だいもつうら)」は、壇の浦の戦いで亡くなったと思われた平知盛(たいらのとももり)が、実は生きていて義経に復讐を企てるが叶わないという物語。

カン、カン、カンと甲高い拍子木の音ともに会場には割れんばかりの拍手が響きました。
子ども歌舞伎「義経千本桜」の幕が上がります。
東御市の春の到来を告げる祢津東町歌舞伎公演。4月29日、四年ぶりに祢津日吉神社境内にある東町歌舞伎舞台で開かれ、市内外から約500人が訪れました。
祢津東町歌舞伎の歴史は古く、260年も続く伝統芸能です。その歴史の中で、平成10年に誕生した祢津小学校子ども歌舞伎クラブは今年で結成25年を迎えます。地域の文化の継承や歌舞伎を通じた学校と地域の交流を目的とし、歌舞伎に興味がある児童17人で結成されています。ただこの3年間は、新型コロナウイルス感染症拡大により、公演ができず思うようなクラブ活動ができませんでした。
4月29日、児童17人は憧れの東町歌舞伎舞台に立ち堂々と演技をしました。なかでも、この4月に東部中学校へ入学し中学1年生になった皆さんは、祢津小学校歌舞伎クラブの役者として伝統ある舞台に立ち演じるのが最初で最後となります。
クラブを部長、副部長として支えてきた山下咲萊(やました さくら)さんと石原蕾(いしはら つぼみ)さんにこの公演への想いをお聞きしました。

・山下
小学校4年生の時に友達に誘われ、部員数が少なかった歌舞伎クラブを盛り上げようと思い入りましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により、東町歌舞伎舞台での公演は入部してからできていませんでした。
今回初めてその舞台に立ち演技することができ、楽しかったですし、伝統ある舞台に立ち演技することにとても緊張しました。
この公演が、祢津東町歌舞伎という伝統芸能を市内外の地域へ少しずつでも広めるキッカケとなり、伝統の継承という面で、これからの祢津地区、また祢津小学校歌舞伎クラブの次の世代へ繋がればいいなと思います。

・石原
校内での発表や地元の方への発表も含め、4月29日の祢津東町歌舞伎公演に向けて、去年の6月から練習をしてきました。4年ぶりに東町歌舞伎舞台での公演、また伝統ある舞台に立てること、とても嬉しかったです。
祢津地区で続く伝統芸能を引き継いでいく、その担い手に自分がなれていること、とても嬉しく思います。この文化を私たちの代で終わらすのではなく、次の世代の担い手へ引き継いでいければと思います。

祢津地域に伝わる伝統芸能の歌舞伎は、市の大切な宝物です。
いま、祢津小学校歌舞伎クラブの児童たちは歌舞伎を保存・伝承し、地域の文化を紡(つむ)いでいます。
地域の人たちが、少なくとも自分たちの身近にある伝統芸能や行事を「知る」ことが、それに関心を持ち、やがて受け継いでくれる次の世代に繋がっていくのだと取材を通して感じました。
文責:企画振興課移住定住・シティプロモーション係

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