「スマート農業」とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する新たな農業技術を言います。農業は、人口減少や高齢化により、全国的に担い手が不足しています。人手に頼る作業や熟練作業が多く、省力化、負担軽減が課題となっています。
課題解決のために、「スマート農業」を活用することにより、農作業における省力・負担軽減が進められるとともに、新規就農者確保や栽培技術力の継承等が期待されます。白馬村の「スマート農業」は、これからの段階ですが、村内の事例を紹介します。
■事例1 自動給水栓(ほ場水管理システム)
令和3・4年度に深空地区の水田において、実証試験を実施しました。遠隔操作で自動で給水・止水を行います。水管理負担が軽減されますが、操作にはスマートフォン等を利用するため、慣れが必要になります。
■事例2 ドローンによる水稲の湛水直播(たんすいちょくはん)
令和5年5月に深空地区の水田、約1ヘクタールで、JA・農業法人・メーカーによりデモンストレーションが実施されました。専用のコーティング処理された種子をドローンで水田に直播(じかまき)することにより、苗運び等の重労働軽減、田植え作業の労働時間が大幅に削減されます。発芽率や収量は今後の課題ですが、担い手不足の一助になることが期待されます。
■事例3 ラジコン草刈機
令和3年7月に飯森地区、令和5年6月に野平地区において、メーカーのご協力によりデモンストレーションが実施されました。手持草刈機や乗用草刈機と異なり、遠隔操作による草刈作業が可能です。人が作業しにくく、安全面で問題がある傾斜地において、操作者がほこりや振動の影響を受けないことも利点といえます。
スマート農業は、熟練者の技術やノウハウのデータ化、人手不足の解消等のメリットがある一方、現段階では、導入に際してのコストや機械を扱うための知識習得がデメリットとも言えます。
今後、機械の普及や若い就農者が増えることに伴い、このデメリットも徐々に解決されることと思います。また、将来的に地球温暖化の観点から農業機械の電動化も予想されます。
お問合せ:白馬村役場農政課
【電話】0261-85-0766
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