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〔特集〕夢に向かって漕ぎ出せ!〜カヌーのまちづくり〜(1)

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長野県高森町

令和10年に長野県での開催が内定した第回国民スポーツ大会「信州やまなみ国スポ」。この大会で、高森町はカヌー競技(スラローム・ワイルドウォーター)とバレーボール競技(ビーチバレー)の開催地となることが内定しています。
諏訪湖を源に伊那谷を南へ流れ、愛知県、静岡県を通って太平洋に注ぎ込む天竜川。この豊かな水辺を町の資源ととらえ、「MIZBEステーション」の整備に取り組んでいる高森町ですが、その背景には、昭和60年代からまちづくりにカヌーを事業として取り入れ「カヌーのまちづくり」を進めてきた歴史があります。
高森町を出発点とするカヌーのコースは、伊那谷を流れる天竜川の中でも、最も川幅が広がり、直線的に流れるため愛好家から人気のエリア。このエリアを使い、毎年開かれているのが「全日本天竜川カヌー競技大会」です。
昭和47年から続く歴史のある大会で、全国から毎年多くの参加者を迎えて盛大に開かれます。コロナ禍で中止が続いていましたが、今年8月27日(日)には4年ぶりとなる第回大会を開催。これまでは日本でも珍しい最長Kmのコースでしたが、今回からは安全面にも考慮し、万年橋(山吹)〜弁天港(飯田市松尾)まで11Kmのコースへと変更。距離は短くなったものの、その熱気は変わることなく、日本で最も強いパドラー(※)を決める、熱い戦いが繰り広げられました。
そんな「カヌーのまち」高森で、本格的にカヌーに取り組み始めた中学生がいます。「国スポ出場」という大きな目標を胸に、日々の練習に励む彼ら。そんな二人に、カヌーを始めたきっかけやその面白さ、今後への意気込みなど話を聞きました。
※カヌーを行う人のこと

■カヌーの魅力は水上の爽快感漕ぎ出した先に見えた未来への夢
たかもりカヌークラブ
高森中3年 中塚雄梧くん(15)
「水面から見ると、普段は目にすることができない景色が見えます。波に乗るのもアトラクションみたいで楽しいですね」とカヌーの魅力を話してくれた中塚雄梧くん。カヌーを始めたのは去年5月。きっかけは一昨年12月に高森町で行われた「アスリート講演会」でした。リオデジャネイロオリンピックカヌーで日本初の銅メダルを獲得した羽根田卓也選手の話を聞き、カヌーに興味を持つように。学校へ行けていなかったこともあり「何か夢中になれるものが見つかり外へ出るきっかけになれば」という両親の勧めも受けて「たかもりカヌークラブ」の体験会に参加しました。
体験会の初日は中学校のプールで基礎を学び、2回目以降はクラブ員の指導を受けながら天竜川を下りました。「難しいかなと心配していたけど、乗るだけなら意外とスムーズにできました。暑い日でも水の上は爽快感があって、もっとやってみたいと思いました」と中塚くん。思うように操船するのは難しいものですが、クラブに入会し、メンバーに教えてもらいながら天竜川を下っているうちに少しずつできることが増え、上達していく過程にも喜びを感じられるようになりました。
今年7月には安曇野市で開かれた「カヌースラローム・キッズパドリングキャンプ」にも参加。この合宿は、カヌー元日本代表の吉田拓さん、オリンピックに3大会連続で出場した矢澤一輝さん(飯田市出身)、シドニーオリンピック出場選手の安藤太郎さんらが企画したもので、全国各地から集まった小・中・高校生20人と練習に励みました。
「いろいろな世代の子と話せたし、カヌーをしている姿を見て良い刺激も受けました。すごく楽しかったです」と笑顔で振り返る中塚くん。練習や合宿を通じて「国スポやオリンピックに出場できるような選手になりたい」という目標も生まれました。
「今後は羽根田選手もやっていた『カナディアンカヌー』という種目に挑戦してみたいと考えています。また、大会に出るなら川を下るだけじゃなくて競技を意識した練習も必要。しばらく運動もしていなかったから、体力もつけなきゃいけないですね」と話し、今後も積極的に練習に参加して技術を身につけたいと考えています。
「国スポ開催までには町内にカヌーのコースもできますし、僕が国スポやオリンピックに出場できるような選手になってカヌーの魅力を伝えられたら。町内のカヌー人口ももっと増えて、みんなで楽しめるようになるといいなと思います!」

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