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特集・新春対談(1)

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長野県高森町

まちづくりは「人づくり」から
地域を見つめ新たな価値を創造する
イノベーションを

高森町長
壬生 照玄
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皇學館大学現代日本社会学部教授
一般社団法人「未来の大人応援プロジェクト」代表理事
岸川 政之

今回は「まちづくりクロストーク新春特別版」として岸川政之さんと高森町壬生照玄町長の対談をお送りします。
全国的にも話題を呼んだ「高校生レストラン」の仕掛け人でもある岸川さん。当時、人口約1万人の小さな町・三重県多気町の役場職員として高校生レストラン「まごの店」や、その先輩が運営するお惣菜とお弁当の店「せんぱいの店」(株式会社相可フードネット)などコミュニティビジネスの手法による地域おこしに取り組んできました。これらの取り組みは高く評価され「総務省地域づくり総務大臣表彰」優秀賞(2011年)、「国土交通省手づくり郷土賞」大賞(2014年)など多くの賞を受賞しています。
平成27年3月に町役場を退職。代表理事を務める「未来の大人応援プロジェクト」では「高校生の伸びしろはそのまま日本の伸びしろだ!」を合言葉に、高校生とSBP(ソーシャルビジネスプロジェクト)を展開し、全国を飛び回りながら未来の大人である若者を全力で育む活動を行っています。
高森町では令和5年10月27日、岸川さんを高森中学校へ迎え、「地域人材教育」のキックオフイベントとして2年生を対象に講演会を開催しました。講演後、中学の教室を会場に行われた今回の対談。響くチャイムや、遠くから聞こえる生徒たちの歌声に耳をすましながら、あたたかな雰囲気の中で町の未来について語り合いました。

■高校生の活躍でまちが元気に!行列のできる高校生レストラン
壬生照玄町長:岸川さんが取り組んでいらっしゃるSBPについて詳しく教えてください。
岸川政之さん:SBPはソーシャルビジネスプロジェクトの略語で、地域にある課題をビジネスの手法を用いて解決していこうという取り組みです。具体的には、高校生をはじめとする未来の大人たちが地域の資源を見直し、活用してまちづくりやビジネスを提案します。その取り組みを地域が応援し、支えていこうというものです。
壬生:先駆けとなったのは、三重県多気町の相可(おうか)高校食物調理クラブのレストラン「まごの店」ですよね。現役高校生が営む日本初のレストランとして連続ドラマのモデル(※1)にもなりました。
岸川:相可高校では、現在も料理の道を目指す高校生がクラブ活動としてレストランの運営に携わっています。学校が休みの土日祝日に営業していますが、おかげさまで全国各地からお客様に足を運んでいただき、開店前から行列のできる店へと成長しました。
壬生:地元の食材を使った料理が評判だそうですね。
岸川:町内で採れる伊勢いもや、松阪牛、尾鷲の魚など地産の食材を使い、料理はもはやプロの味です。大きな特徴は食材などの資材購入費はもちろん、光熱費や管理費などのランニングコストもすべて自分たちの収益でまかなっていること。高校生の頑張る姿から地域も大きな力をもらっています。
壬生:店を立ち上げた当時、岸川さんは多気町役場の職員だったんですよね。
岸川:そうです。私はもともと行政マンで、当時は農林商工課の農業振興係長でした。相可高校との出会いは平成14年2月に開かれた「おいしい多気町まるかじりフェスティバル」というイベントを企画したのがきっかけです。町内の認定農業者の食材を紹介するため、高校生に調理をお願いして試食会を行ったのですが、出てきた料理がホテルのバイキングの料理かと思うほど豪華で、種類も豊富。感動しました。
壬生:想像以上の出来栄えだったんですね。
岸川:その日を境に生徒や指導者の先生と交流を深めていきましたが、その中で先生から「高校では学べないことが二つある」という話を聞いたんです。それは「接客」と「コスト管理」。じゃあお店をやってみたらという話になり、最初は小さな屋台のようなお店を始めました。

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