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自治体の皆さまへ

市政羅針盤(らしんばん)

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静岡県島田市

染谷絹代(そめやきぬよ)市長が自ら、市政運営の方針を分かりやすくお伝えします。
今月のテーマ:県内初 市役所業務にチャットGPT(ジーピーティー)活用 実証実験

■瞬く間に世界で利用される機能
いま話題のチャットGPTについて、耳にしたことはあるけれど、その実態はよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
チャットGPTは、私たちの質問や依頼に対して、まるで人間のように自然でクオリティの高い回答をする生成AI(人工知能)です。昨年11月に米国のオープンAI社が公開すると、またたく間に注目を集め、登録者数はわずか2カ月で1億人を超えました。

■リスクと利便性が共存する現状
一方で、情報の正確性や個人情報の保護、著作権の問題など、回答をうのみにできる段階ではないことも指摘されています。ちなみに「染谷絹代はどんな人?」とチャットGPTに聞いたところ、「1940年代に活躍した日本の女優」と出ました。田中絹代(たなかきぬよ)さんの情報と取り違えているようです。このように、まだまだ課題はありますが、使い方次第では、業務の効率化に大きく貢献できる画期的なツール(道具)でもありますので、当市は、DX推進課において4月から県内自治体初の実証実験を開始しています。
チャットGPTは、挨拶文やメールの作成、絵画や詩や小説の執筆、表計算ソフトの関数作成、プログラミング、料理の献立づくり、作詞・作曲など、あらゆる質問や要望に数十秒で回答してきます。市役所業務でいえば、各種あいさつ文、資料の要約、行政文書の下書きなど、これまで時間をかけてきた業務も、ものの数十秒で回答が得られます。運用ルールの明確化や最終チェックの徹底を通じてリスクを軽減し、捻出できた時間を人間にしかできないきめ細やかな住民サービスにつなげたいと考えています。
繰り返しになりますが、チャットGPTには、誤った情報が拡散し、個人情報や機密情報が漏えいする危険性もあるため、適切な監視や検証のルールづくりが必須です。当市も、個人情報や秘匿性の高い情報の入力を禁じるなどして、安全管理を徹底しながら実証実験を進め、安全性と有用性が確認され次第、全庁へ運用を拡大していきます。また、法律や規制に従った運用を行うことが重要ですから、導入に向けてのルール作りについて、関係各所と実運用への課題、利用範囲、利用環境などについて検証を進めています。

■利用者に求められる事実確認
ここまでの説明で、チャットGPTには、画期的な利便性と同時に、使い方によってはリスクが伴うことをご理解いただけたかと思います。リスクは、大きく分けて二つ。セキュリティと信ぴょう性の問題です。仮に、秘匿性の高い情報をチャットGPTに入力してしまうと、その情報がチャットGPTの学習のために利用され、思わぬところで出力されてしまう可能性があります。また、チャットGPTの高い能力を、悪意のある者が利用すれば、中立性と正確性を欠く情報が生成され、世の中の情報操作も可能となってしまいます。すでにアメリカでは、国防総省の近くで爆発が起きたとする偽の生成AI画像がネット上で拡散し、株価が一時的に下落する騒動に発展しました。
他にも、チャットGPTの回答は出典が分からず、著作権に抵触する問題が発生しています。生成された情報をうのみにせず、ファクトチェック(検証)をする必要性があるでしょう。チャットGPT はAI(人工知能)の可能性の広がりを実感させてくれる存在ではありますが、同時にセキュリティや信ぴょう性などのリスクがあることも知った上で、利用することが求められます。

■人間の英知で上手な活用を目指して
振り返れば、令和元年に「島田市デジタル変革宣言」を発表して以来、誰もが、いつでも、どこでも、DX(デジタルトランスフォーメーション)の恩恵を受けられる行政サービスの実現を目指して取り組んできました。職員には、「1年の遅延が、将来の10年の差になる」とハッパを掛け、人材育成にも励んできました。その蓄積があるからこそ、チャットGPTの活用にも、すぐさま組織として対応できたと考えています。近い将来、チャットGPTをはじめBing(ビング)やBard(バード)などのAIサービスは、世界中で汎用(はんよう)されるでしょう。今後、問われるのは、チャットGPTなどを活用する人間の英知と、対話型で回答を導き出す利用者の質問力だと考えます。まずはチャットGPTの特徴をよく理解した上で活用し、最後は、人間が自分の頭で考えることが大事です。こうした現状認識を持ちながら、細心の注意を払って実証実験を続けています。
※なお、本稿はチャットGPTで生成したものではありません。

問合せ:秘書課
【電話】36-7117

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